ホントにどこでも通れるの?
法律の上では、3,800mmルールを守れば自動車は道を自由に走れるとある。ここで一つ、もしも大型路線バスを自家用車として走らせた場合、普通乗用車すら難儀するような狭い道でない限り、高さ的には本当にどこでも通れるのか、気になるところでもある。
道路法は、公道を走る車両のみを制限する法律ではなく、道路側の構造にもしっかり規定=建築限界が設けられおり、路面の上にかかる構造物に対して、地上から一定以上の距離を離して設置する決まりがある。一例を記すと
・構造物一般:4.5m〜(普通道路)、4.8m〜(重要物流道路)、3m(小型道路)
・標識類:4.7〜5m
・信号機:5m〜
……のようになる。この場合、3mの規定が認められる小型道路を通行できない可能性大となってしまうが、もともと小型道路は大型車両に対応していない道を指すため、除外して差し支えないだろう。
あくまで法律が定める数値の上では、高さ(幅の問題は別だが)的には余裕があり、大型バスも通れなくはない、ということになる。
当然ながら、広い全国各地には例外も存在し、高さ3.8mを切るような「低い場所」は、自治体によっては一覧が公表されていたり、現地に高さ制限を示す標識が掲示されていたりする。
具体的な例では、大分県佐伯市の国道217号線上にある「八幡トンネル」の高さが3.4mしかなく、注意喚起が図られている。この道路、実はバスの通り道でもあるのだが、上記の通り、高さ3〜3.1mの大型路線バス車両なら特段の対策は不要だろう。
さらに最近はマイクロバスやワゴン車による運行となっているようで、車両のサイズがより小さくなる分、全く問題なく通行可能だ。
ちなみに、鉄道の線路の下を道路が通る「架道橋」が、3800mmルールから外れる低い場所として圧倒的に多い。もっとも、架道橋のうち特に低い箇所は、人道に近いような極狭な道ばかりであるため、バスの通り道としては最初から選択肢に入らず、例え最短ルートであっても単純に迂回するのが自然な流れだろう
3m台=ちょうど良い高さ?
今日活躍を続けるバスの高さは、大型なら3m台に収まるものがほとんどなようだ。とりわけ路線バス車両では、道路法による建築限界と、バス車両の長い歴史の中で割り出された、バランスの良い走行能力と居住性を両立させた、ちょうど良い高さなのかも知れない。
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