(4)神奈川中央交通:71年
1921年設立。1951年に商号が神奈川中央交通へと変わり今日に至る。設立初期の頃は銀色ベースに黄色い帯が入るカラーリングだった。
クリーム色に近い黄色を主体に、オレンジと赤のラインを入れたスタイルは1951年からと言われる。
自動車黎明期〜1940年代の乗用車によく見られた、大きなフェンダーを模した波型デザインが1950年代に流行したことがあり、神奈中バスの車両も1950年頃〜1987年まで、車体の裾とフェンダー付近の赤いラインが波状に塗装されていた。
波型デザインは1987年頃まで使われ、その後赤いラインの塗り方が直線的になった。大本の配色は同じままだ。
(5)横浜市営バス:94年
1928年開業。今日も見られるクリーム色と青帯のコンビネーションは最初から変わっていないと言われるほど、バス車体色の中でも最長寿クラスだ。
マイナーチェンジは若干あり、1990年頃に青が少し明るくなっている。ほかにも横浜の「Y」を表した前面帯のカーブがなくなった時期もあったが、最近の車両ではY字状に戻っている。
変わらないのが大切?
長きにわたって基本的な配色をキープし続けている路線バスの数々。年月が経つと次第に古さが目立ってくるし、数年に1度はカラーリングを完全に変えたほうがいいのでは?と思うかもしれない。
しかしバスに関して、それは一概に得策とは言えない。
路線バスの色というのは地域の顔を担っていることが多い。バスの色を見れば地元感が強調されて安心したり、郷土愛を抱いたり、自分が乗るべきバスを車体の色で判断している人もいる。
そのカラーが地元民に親しまれていればいるほど、刷新はどんどん難しくなる。
実際に起こった騒動では、1981年に都営バスの車体色を完全に変更するべく大鉈が振るわれたことがあったのだが、既存カラー廃止への反発や、色が地域にそぐわないなど評判が非常に悪かったため、わずか1年で塗り直されてしまった。
デザインを1から変えるとなれば、デザインや塗り替えにかかるコストはもとより、早い段階から入念な啓蒙を行い、地域住民に慣れてもらう必要が多々生じる。
仮に新デザインが受け入れられなかった場合の対応まで考えると、よほどのことがない限り、配色には手を出さないのがベスト、になると思われる。
もちろん、新色を導入したり新旧カラーが混在していたり、そもそも色がバラバラだったりするバス事業者も全国に点在しているが、それはまた別の話。昔からあまり変わらないバスの色は地元利用者にとって特別な色なのだ。
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