いつも同盟軍vs.帝国軍みたいな間柄の電車とバス。でもたまには手を取り合って、電車とバスを交互に乗り継いでいったら、どの辺まで辿り着けるだろうか。横浜駅をスタート地点にして東北方面を目標に進み始めた4日目と、ゴールになったその場所やいかに!?
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、交互の旅東北編の道中写真があります)
■複雑怪奇な「ターミナル」
4日目の朝は本八戸から路線バスのターンで開始。バスに乗って八戸駅まで向かうつもりで、八戸駅行きのバスは、宿泊先にほど近い「八戸中心街ターミナル」に立ち寄る。
しかしこの八戸中心街、「ターミナル」と名乗っているものの、バスの系統ごとに停留所が、道路上に分散配置されているのが複雑怪奇にして大きな特徴。はじめ仕組みが分からず一瞬固まってしまった。
中心街ターミナルのうち、八戸駅方面へ向かうバスが来るのは、裏通りに置かれた5番乗り場、「八戸中心街ターミナル(六日町)」が正解だった。
中心街ターミナルからは、朝9:20に出発する八戸市営バスの「N63系統」を狙った。駅まで6.4kmの距離を23分で結ぶ。地元のおばあちゃんに何かと厳しい運転手さんがちょっと怖い。
■よりにもよってそれに当たるか!?
八戸駅に着いたその先は、前々日くらいに青写真を描いておいた。JR大湊線を使い下北半島に向かう作戦だ。経路のイメージは……
・八戸→(JR大湊線)→下北→(下北交通バス)→大間ターミナル→(津軽海峡フェリー)→函館
……のような感じで、このさい津軽海峡を越えてしまおうと考えた。
八戸駅で乗るのは10:22発の大湊行き快速「しもきた」。40分くらい時間があるな、と待ち時間をどうするか考えつつ駅の電光掲示板に目をやると、乗るハズの列車が表示されていないのに気付いた。
何かあったのかと更に様子を伺う。するとこんな注釈が目に止まった……
「大湊線では、保守工事を行うため以下の期間・時間帯において一部の列車を運休します」
……げっ!! なんとまあ訪問当日がピンポイントに、大湊行き快速「しもきた」の工事運休日、完全にノーマークだった!! よりにもよってそれに当たるか!?
交互乗継のルール上、あっても利用できなかったがバス代行は行わないそう。こいつは困ったぞ、まだ宿の手配をしていなかったのが重傷も軽傷に思えるというやつで。
■“奥”の手を掘り出す
既に津軽海峡を越える気満々だったゆえ、どうにかならんかと即興で思案。青森まで出て津軽海峡フェリーか? とも考えた。
ところが青森〜函館航路は距離が113kmくらいあるため、「船は99.99kmまで」のルールに抵触してしまいNG。だとすると、かくなる上は、“奥”の手を掘り出してくるしかないか。
その場で行き先の変更が決まり、青い森鉄道の10:31発の青森行き普通列車を選んだ。2両編成の電車に1時間20分くらい揺られ、途中の浅虫温泉で下車した。
青森駅間にバスで着く必要があり、青森駅方面へのバスが来るどの駅で降りても良かったが、ちょうど数分の接続で浅虫温泉駅を出る、青森市営バスの「B1系統」に乗り換えた。
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