中型路線車・大型路線車のタイヤ外径
短距離輸送やローカル路線での運用に向いた、全長9mクラスの中型路線車が履くタイヤを調べてみると、「245/70R19.5」のサイズが指定されている。外径換算で839mm前後、車体サイズが一気に大型化した分、いよいよ80センチを超える。
全長10.5mクラスの、一般路線バス向け車両としては輸送力が最も高い大型路線車では、さらに径のある「275/70R22.5」が各メーカーの車両でほぼ共通して使われる。外径は959〜964mmといったところだ。
大型高速車・貸切車のタイヤ外径
高速バスや観光バス向けの、全長12mに迫る高速車・貸切車になると、やはりタイヤも大ぶりな「295/80R22.5」に変わる。幅の広さと共に外径も巨大化して1048〜1051mmと1メートルの大台に乗る。
また、ホイールの形が違うため前と後ろとでサイズの異なるタイヤが使われているように思えるが、大体どのバス車両でも前後共通だ。
クラシックカーのタイヤ外径
大昔に活躍したバス車両のタイヤ外径は今と変わらないのだろうか。昭和の後半、リアエンジンで箱型車体になった大型路線車では「9.00-20」または「10.00-20」という規格のタイヤが主流だったようだ。
上記2種類の規格を外径で表すと、前者が1016〜1028mm、後者が1048〜1066mmくらい。いずれも1メートル級で、路線車向けとしては現行車種よりも径が大きい。
戦前にまで遡り、ガソリンエンジンを前に搭載したバス車両に注目すると、当時はメーカーごとに様々な規格のタイヤが指定されていたらしい。現在よりもタイヤの幅が狭いのはどの車種にも当てはまる。
1935年式のいすゞBX-40型の場合、「32×6インチ」または「34×7.5インチ」が指定されており、外径813〜863mmくらいになる。外径のみなら現在の中型路線車相当だ。
同じく1935年式スミダ/チヨダ C-46型では「7.50-20」を使用するとある。現在もフォークリフトやトラクター、トラック用が発売されているタイヤだ。外径で記すと935〜946mm、今の大型路線車に近い。
1940年式トヨタ バスシャシーのスペックを見ると「6.00-20」。トラック/バスには殆ど使われなくなったようだが、海外で製造しているメーカーがある。外径は32.6インチ前後なので、828mmくらいだ。
ざっくり言うと何センチ?
元がインチであるのと、同じ規格のタイヤでも外径寸法に差があるため、基準点を作るのが非常に難しい。それを踏まえて、ざっくりと言うなら……
ワゴン車:69センチ
マイクロバス:75センチ
小型路線車:78センチ
中型路線車:84センチ
大型路線車:96センチ
大型高速車・貸切車:105センチ
……が、最近使われているバス車両に多いタイヤ外径になる。
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