■北海道最古の鉄道が敷かれた場所 〜幌内炭鉱〜
3箇所目は、札幌を出発し地図で見てやや右上方向を目指して約60km先の幌内炭鉱だ。1879年に開山、自動車が実用化するより前の1882年に、早くも石炭を運び出すための鉄道(後の国鉄/JR幌内線)が敷かれている。
現在の三笠市が幌内炭鉱のあったエリアだ。炭鉱がいくつも作られた中、幌内炭鉱、幾春別炭鉱、奔別炭鉱の規模が特に大きかったようだ。最盛期には三笠エリアの人口が6万人を超えたと言われる。
三笠の隣町が岩見沢で、国鉄幌内線は岩見沢〜三笠〜幌内間13.6kmと、三笠〜幾春別間7.2kmの支線に分かれていた。鉄道に並行して古くから路線バスも運行されている。
昭和の時代にエネルギーを石炭から石油へとシフトさせる政策の影響などを受け、1957年に幾春別炭鉱、1971年に奔別炭鉱が閉山となり、最後まで残った幌内炭鉱は平成の時代まで操業を続け、1989年に役目を終えた。
1987年に幌内線が廃止されると、北海道中央バスが代替バスを走らせるようになった。三笠〜幌内間の代替バスでは、2000年代まで大型路線車での運行が続けられていたが、利用者の減少により三笠市営バスに転換、代替バスの代替バスが誕生する結果となった。
そして現在、前述の2例と同様に幌内もバスでは行けない場所に転身してしまったのだろうか……2023年現在、三笠市営バスが継続して三笠〜幌内間の路線バスを運行している。
幌内炭鉱があった場所には鉄道記念館があり、炭鉱跡の見学以外にも記念館へのアクセス手段としてバスが使える。運賃は1回200円。最近大きく変わったのは、2020年に車両がマイクロバスからワゴン車タイプのバスに置き換わった点だ。
JR岩見沢駅の隣にある岩見沢バスターミナルから、北海道中央バスが系統22「三笠線」を運行している。
幌内へ行くにはこの系統22に乗り「三笠市民会館」バス停で三笠市営バスに乗り換える。観光目的で使えそうな市営バスの便数は1日10本あるうちの5本程度と言える。
鉄道時代に支線の終点だった幾春別へ行く場合は系統22が直通するので、「幾春別町」までそのまま乗っていけば良い。本数も1時間に1本程度あり、使い勝手は悪くない。幾春別町バス停から徒歩圏内に、奔別炭鉱の巨大な立坑が残っており、見所のひとつだ。
【画像ギャラリー】北海道の産業遺産・炭鉱の面影を追う!!(13枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方