金額が切り替わるタイミングっていつ? 上昇型バス運賃の知られざるヒミツ


 整理券を取って、降りる時に運賃を支払うスタイルの路線バスに乗っていると、進んでいくにつれ運賃表示器の金額が上がっていく光景に、つい気を取られてしまう。

 事前に確認しておいた運賃と表示器の額がピッタリだと、胸を撫で下ろしたり、ちょっと嬉しかったり…極めて普通のことに楽しさを感じるのが乗りバスの醍醐味でもある。

 一本の路線バスで、利用する距離が長くなるほど運賃も上がって行くのは当たり前のこと。では、運賃そのものや、その金額が切り替わるタイミングに決まりはあるのだろうか?

文:中山修一
写真:中山修一/バスマガジン編集部

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こう決まる?路線バスの運賃

 バスの運賃には、利用する区間に応じて幾らまで取って良いかを示した「運賃上限」という国の規定がある。各バス会社は届出を行い、その規定に沿って金額を決めていくことになる。

 上昇型運賃は「対キロ区間制」と呼ばれており、下記の計算方法に当てはめて運賃を割り出すのが基本だ。

(1)基準賃率 × (2)遠距離逓減率 × (3)区間キロ = 運賃

 (1)と(2)があまり聞きなれない言葉であるが、ざっくり表現すると(1)は1kmあたりの値段、(2)は長距離利用をした場合の割引、短距離なら割増率である。

 具体的な値はバス会社によって異なり、(1)の基準賃率が23円の所もあれば50円の所もある。(2)の割引率も、距離の基準が全国共通である以外は会社によって差があり、大まかには…

2kmまで:基準賃率 × 2.0
2.1〜10km:基準賃率 × 1.0
10.1〜20km:基準賃率 × 0.8〜0.9
20.1〜30km:基準賃率 × 0.8
30.1km〜:基準賃率 × 0.6〜0.7

…である。例えば、基準賃率が50円で10kmの区間の場合、最初の2km分の50×2×2=200円と、残り8km分の50×8=400を足した、最高600円まで運賃を取っても良い、ということになる。

 ただし、上の計算方法はあくまで基本。各バス会社が公表している実際の基準賃率と運賃・距離表を照らし合わせても、簡単に計算が合うわけではないので念のため。

後ろ乗り・前降りのバス路線では、乗る区間に応じて運賃が上がる「対キロ区間制」を採っている事業者が多い。

「場合による」のカタマリ!

 運賃の計算方法は大体分かったとして、次に金額が切り替わるタイミングがいつ・どこなのかを、目安くらいは踏まえておきたいものだ。

 国土交通省の資料によると、切り替えの場所にも、ある程度の決まりが設けられているようだ。タクシーのような初乗りを過ぎると200数十メートルごとに課金といった、距離単位による区切りではなく、バスは停留所単位とするのが原則となっている。

 不公平感や利用者に負担がかからないよう、運賃を段階的に少額ずつ上げていくことになるが、この切り替わりポイントに設定された停留所のことを「区界停留所」と呼び、区界停留所と区界停留所の間を1km以上離すよう定めている。

 とはいえ実際のところ、需要や自治体との擦り合わせなど、その地域の環境に応じて停留所の位置が決まってくるため、区界同士が1kmを切る場所がある反面、2km以上離れた区間だって多々ある。

 一定の決まりがあると言えど、日本全国どこの停留所も、そこに置かれる厳密な条件は「場合による」のだ。

運賃が上がっていく路線バスに乗る際、欠かせないのが整理券だ。整理券発行機は主に入口の脇あたりに設置されている。

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