相鉄グループの相模鉄道と相鉄バスでは、2020年度(2020年4月1日~2021年3月31日)の駅や車内などでの忘れ物状況を取りまとめた。
新型コロナウイルスの影響で旅客数が減少したことにより忘れ物全体としてはなんと約3割も減少したのこと。詳細を見ていこう。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】相鉄グループの2020年度忘れ物ランキング1位はやはりアレ!
忘れ物は3割減少したものの…
主な内容としては、2020年度は56542件の忘れ物があり、これは1日あたりで約155件となる。 前年度との比較では27525件(約32.7%)の減少。理由としては二度の緊急事態宣言等の新型コロナウイルス感染症の影響で、旅客数が大きく減少したことを挙げている。
忘れ物ランキングでは、やはり傘が最も多く13288件(前年度比約34.9%減)で、忘れ物全体の約23.5%を占めた。1日あたりでは約36件とかなり多い数だ。
忘れ物の返還数は17702件で、返還率は約31.3%(2019年度 約31.3%)で、こちらは横ばい。同社グループでは駅のデジタルサイネージや掲示板にポスターなどを掲出して啓発を行っている。
一方で珍しい忘れ物としては、ロボット掃除機、サーキュレーター、空気清浄機などがあったという。 2020年度は相鉄お客様センターに10823件の忘れ物に関する問い合わせがあり、これは同センターへの問い合わせ全体の約32.1%を占めた。1日あたりでは約30件の忘れ物の問い合わせがあった計算だ。
同社では忘れ物件数は大きく減少したが、相模鉄道線内に限った輸送人員に対する忘れ物件数の比率は2019年度と2020年度では大きな変化はなかったと結論付けた。
梅雨から夏にかけて忘れ物の件数が多くなる傾向に
普段は手に持たない傘の忘れ物はやはり多いようだ。安価なビニール傘を多用する傾向が強く、自分自身の専用傘を持つ人が少ないのも理由だろう。
バスであれば降車した時にも雨が降っていればすぐに気が付き車内に取りに戻ることも可能だろうが、鉄道ではホームではあまり濡れないために忘れてしまうことも多いのだろう。
同社では電車やバスから降りる際には、手荷物をいま一度の確認をと呼びかける。同グループ鉄道やバス車内での忘れ物は、最寄りの駅やバス営業所、または相鉄お客様センターで問い合わせを受け付ける。
直通運転を行うJR線内での忘れ物は、JR東日本の駅またはJR東日本お問い合わせセンター(お忘れ物)にお問い合わせてほしいとのことだ。
傘はもちろんのこと、社用の封筒や手に持つ財布やカバンそのものも忘れ物ととしては多いようなので、カバンの中にしまったり、たすき掛けにしたりする等の対策で「お降りの時はお忘れ物のないようご注意ください!」。