西日本ジェイアールバスは、石川県観光連盟と能登半島広域観光協会の協力により、要望が多かった金沢から奥能登へ向かう定期観光バスを10月より新たに運行する。本路線の特徴は県をまたがない路線設計だということだ。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】西日本ジェイアールバスの定期観光バス新路線「能登路」は魅力いっぱい!
定観の新路線は珍しい!
本路線はガイドの案内付きで、定期観光バス「能登路」として運行される。金沢駅東口を出発し、能登金剛 巌門、千枚田、奥能登塩田、總持寺祖院など、能登半島の外浦(日本海側)を1日かけて廻る。
運行日は当面の予定として、2021年10月16日(土)から2021年12月19日(日)までの土・日・祝日に1日1便を運行する。
運行ルートは次の通り。金沢駅兼六園口(東口)9:00→千里浜なぎさドライブウェイ→能登金剛・巌門→能登二見岩→總持寺祖院(参拝及び自由昼食)→白米千枚田→奥能登塩田村(資料館見学)。
また本路線では降車地を選択でき、輪島市内3か所(寝豚16:00→塚田16:05→輪島ふらっと訪夢16:15)→和倉温泉17:10→金沢駅兼六園口(東口)19:00頃、のルート上で降車することができる。
乗車料金には總持寺祖院及び奥能登塩田村の入場料を含み、昼食代は含まない。料金は、金沢駅→金沢駅 おとな6,950円 こども3,480円、金沢駅→和倉温泉 おとな6,600円 こども3,300円、金沢駅→輪島市内 おとな6,150円 こども3,080円と、降車場所により異なる。
乗車特典として、乗車記念品「輪島うるし塗箸」(輪島市からのプレゼント)、僧侶による總持寺境内の特別案内(この定期観光バスの乗客のみ)、總持寺祖院境内で「季節の精進うどんセット」を希望者のみ700円で食べることができるほか、總持寺祖院周辺3か所の施設を巡ることができる「大總持寺展拝観手形」がつく。
定観はお手軽さが魅力だ!
冒頭で述べた通り、本路線は定期観光バスだが県境を越えないルートが設定されており、大々的な旅行がままならない昨今の状況の中でも最小限の観光で最大限の楽しさを提供しようとする同社の苦労がうかがわれる。実際に計画しては延期や見直しを続け、最終的にこのルートと運行開始日に決定したようだ。
定観に使用される車両は大型化粧室トイレ付の4列シートハイデッカーなので観光目的のほか、気軽な乗りバスにもいかがだろうか。