乗りバスレポート、今回は都営バスの「草24」系統だ。城東地区を斜めに横断する路線で、観光地や商業地を通りながら東西に走る鉄道路線を連絡する任務も担う。担当営業所は江戸川営業所臨海支所だ。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
写真:小野寺利右
スタートは雷門から少し離れた浅草寿町
草24は都営新宿線・東大島駅から浅草寿町までのおよそ9Km弱を40分ほどかけて走る。都営新宿線・JR総武緩行線・都営浅草線や東京メトロ銀座線と連絡する。今回は浅草側から東大島に向けて乗車した。
歴史的な経緯は省くが、元々は浅草寿町から亀戸駅前・東大島駅前を通り、葛西橋まで直通していた路線が分割されたものだ。亀戸駅前-葛西橋間は亀24系統として現存し、亀戸駅前-東大島駅入口間は重複路線である。
浅草寿町は観光地である雷門より南側の浅草通りに位置し、東大島方面から到着したバスはこの停留所で待機したうえで、当停留所始発のバスとしてループを形成し方向転換の必要なく雷門方向へ出発する。
国際通り・雷門通りを走り最初の停留所である「浅草雷門」に停車する。乗車が多いのはやはり雷門で、時間帯にもよるがほぼ満席になる。左側に座っていると雷門の目の前を通るのでよくわかる。スカイツリーを正面に見て吾妻橋を渡ると台東区から墨田区に入る。
吾妻橋を渡るとすぐに右折してここから東大島に向けて主要交差点で「転線」しながら斜め移動が始まる。本所一丁目で春日通りに入り進路を南から東に取る。大きな通りだが、このあたりの春日通りを走るのは草24のみだ。横川からは進路を南に変え、半蔵門線の上を走る。そのまま直進し続ければ錦糸町駅に至る。
ところで本稿では「転線」という言葉を多用しているが、本来は鉄道用語である。例えばJRの特急・新宿さざなみ号は千葉方面から総武快速線を走って錦糸町駅を出ると総武緩行線に「転線」し、さらに御茶ノ水駅の先で中央急行線に「転線」し新宿に至る。こういう使い方をするのだが、路線バスはできれば直線的になるべくなら曲がる回数は少なく設定したい。その方が経済的で効率的なためだ。
しかし草24系統は昔からある路線ということもあり全線にわたり、ひたすら交差点を曲がり続け全体としては斜め移動しているように見えるので、あえて「転線」という表現を使用している。