西鉄が天神大牟田線でAI警備システムの実証実験を開始!! バスにも設置してほしいなあ~!?

西鉄が天神大牟田線でAI警備システムの実証実験を開始!! バスにも設置してほしいなあ~!?

 西日本鉄道(西鉄)は西鉄天神大牟田線の駅施設における安全性向上を目的とした実証実験を開始する。本実証実験は、西鉄グループが実施するオープンイノベーションプログラム「Join up with Nishitetsu」への採択を通じて開始するものだ。今回の実証実験は鉄道駅で行うものだが、このようなシステムはバスにこそ搭載してほしい警備システムなのかもしれない。

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■背景と目的

さまざまな検知が可能なAI警備システム
さまざまな検知が可能なAI警備システム

 西鉄が運営する西鉄天神大牟田線・貝塚線では、現在全73駅のうち42の駅(試行運用中の8駅も含む)において駅集中管理方式を導入している。柳川・貝塚2か所のサポートセンターにおいて各駅のモニタリングを行うなど、乗客の安全や利便性を維持しながら運用している。

 今季の実証は、より安全な輸送サービスの提供を実現するため、アジラが提供する「AI Security asilla」を活用して駅施設における安全性向上を目指す。

連節車はAI監視とは相性がよさそうだが…
連節車はAI監視とは相性がよさそうだが…

 駅の集中管理とは、駅係員が常時は駐在せず監視カメラによる安全確認やインターホンを通じた乗客対応等を、デジタル技術を活用して遠隔で駅業務を行うことである。これまでも監視カメラを通じて遠隔管理する鉄道駅は多く存在する。

 それに加えてAIに積極的な監視業務を担わせようというものだ。今回の実証実験では、駅集中管理方式を導入している駅のうち乗降人員や、小学生、高齢の乗客等の利用状況を考慮した8駅で実施する。

■実証実験の概要

狭いバス車内だからこそAI監視が生きるのかも?
狭いバス車内だからこそAI監視が生きるのかも?

 実施期間は2025年8月20日(水)まで。対象となる駅は、都府楼前、紫、津古、三沢、大保、櫛原、聖マリア病院前、西鉄五条の計8駅だ。具体的なカメラの設置場所は、対象駅のホーム、改札周辺、内コンコース等で、現在設置しているカメラを活用する。なお、モニターは柳川サポートセンターで行う。

 期間中は次の項目を適切に検知できるかを検証する。線路内への侵入、車椅子・白杖を使用される方、転倒・ふらつき、長時間にわたり駅施設に留まっている方、ホームからの転落予兆、不審行動など。

■防犯やカスハラ対策のためにバスにも設置を!

バスにこそほしいシステムかも?
バスにこそほしいシステムかも?

 このようなAIによる警備システムは、当然ながら該当する予兆があれば関係機関へ通知されるだろうが、ワンマンで運行するバスにこそ設置したいシステムだ。

 バス停にも設置する方が精度は上がるだろうが、とりあえず現在のドラレコや車内監視システムのカメラを設置している車両で運用すれば、不審者やトラブルに発展しそうな予兆を即座に担当する営業所や運転士に無線を通じて警報を発することが可能だろう。

博多営業所から出庫する西鉄の路線バス
博多営業所から出庫する西鉄の路線バス

 誤報が多発すると困るが、防犯やカスハラ対策のために即座に事態を把握し営業所に通報が行くことで、人の目で集中監視ができ、必要であれば法執行機関への通報が迅速にでるメリットはあるだろう。

 監視社会へのアレルギーはあるだろうが、犯罪を犯さなければ良いだけの話で、監視ではなく見守られていると考えればむしろ安心してバスに乗車できる環境が整うとともに、ワンマン運行による運転士の負担も軽減できるのではないだろうか。

監視ではなく見守りと思えば…
監視ではなく見守りと思えば…

 福岡市内のバスは西鉄直営なので、鉄道の実証がうまくいけばバスへの設置も検討して、乗客も運転士もさらに安心できる環境を構築し、新しいバス防犯システムの先駆けとなってほしいものだ。

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