■岐路に立たされるゆとりーとライン
さて、ゆとりーとラインの現状と取り巻く問題についても触れておこう。開業25年を迎え、利用者数は増加している。名古屋市の統計によると開業した当時、2000年度の1日の利用者数は約5300人であったが、2024年度には11700人にまで増加した。これは沿線の開発が進み人口が増加したためであるが、これにバスの輸送力が追い付いていないのが現状である。
朝夕のラッシュ時には2~5分間隔で運行されてるのだが、1台に乗車できるのが約70人と十分ではない。ダイヤ改正を行い、もっと本数を増やせばとの声はあるが、そこにはまた別の問題が存在している。それは独特な車両に起因する。ガイドウェイバスと呼ばれるこの車両は前後左右に案内輪を備えているが、同様の機構を持つ車両は日本でここだけである。
よって新車を投入するにも、他の会社からバスを受け入れるにしても改造を行う必要があり、また案内輪などの部品も製造メーカーが生産を取りやめていて、技術の継承もされていないため調達さえ難しい状態になっている。現に昨年には予備車がなくなってしまったため、バスの減便を行うなどその影響は深刻になっている。
現在さまざまな角度から検討が進められているが、その1つが自動運転車両への転換である。その概要は現在の高架区間に磁気マーカーを設置し、その経路に沿って自動運転バスを走らせるというものだ。2023年には大型自動運転バスによる実証実験も実施され、作成した地図の経路に対して磁気マーカー誘導方式による車両がどれほどの誤差で走行するのかその精度について検証が行われた。
2024年には一般の乗客を乗せた実験も行われ、少しずつであるが実現に向けた動きが進んでいるように思った。現段階では移行に向けた発表はないが、現存車両が走行する姿は近い将来には見ることができないかもしれない。
自動運転でない運転士が運転するバスをバス専用道に転換して走らせるには、軌道の幅が足りないため道路にはできないという問題もある。設計上はゆりかもめやニュートラムのような新交通システムに転換可能な仕様になってはいるが、そうすると路線バスとの直通運転が不可能になるので、現状の利便性を満たしたまま運行するには障壁が高すぎるのだ。
■クセのある1日乗車券
今回は名古屋を走行する「ゆとりーとライン」についてお届けした。先に書いたようにそう遠くない時期には自動運転車両へ転換されることも検討されていることから、今のうちに乗車しておくことをおすすめしておく。その際に使いたいのが1日乗車券である。ゆとりーとラインではアプリから購入する「モバイルホリデー1日乗車券」と、JR東海の「EX旅先予約」から申し込みする「ホリデー1日乗車券」がある。
それぞれに特長があり「モバイルホリデー1日乗車券」はデジタルであるので提示すればOKと使いやすく、沿線の施設で使える優待クーポンがセットで用意されている。また紙券である「ホリデー1日乗車券」は事前決済を済ませた後、大曽根駅の窓口で乗車券を受け取る必要がある。
乗車券のほかゆとりーとラインとJR東海のコラボキーホルダー、ゆとりーとラインオリジナルグッズがセットになっていて非売品を貰えることと、形に残る乗車券が残るのはうれしい。利用可能日は土日祝日と毎月8日で平日は不可であることと、どちらの場合も乗車時に整理券を取る必要があること、そして重要なのは有効区間が高架区間である大曽根~小幡緑地間ということだ。
平面区間との乗継割引はなく、別途平面区間分の運賃を払う必要があるので注意してほしい。筆者は今回大曽根駅で「ホリデー1日乗車券」を受け取ったが、窓口の係員が嬉しそうに手渡してくれたのが印象的だった。乗り納めというには時期尚早だが、四季をちょっと高い場所から感じられるゆとりーとラインで名古屋の空中散歩してみてはいかがだろうか。
【画像ギャラリー】開業25周年で初めてのイベント「ゆとりーとラインお客様感謝祭」に行ってきた!(31枚)画像ギャラリー








































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