古き良き、高速バスが百花繚乱だった時代のルートや車両をアーカイブ記事として紹介するこのコーナー。今回は有名な忍者の里・伊賀と京都を結んでいたバスだ。
三重交通は細長い(南北180キロ)県内全体と、三大都市のひとつ名古屋に営業エリアを持ち、エリア内と名古屋への長距離バスは古くから運行を続けてきた。
1980年代後半から夜行中心に関東への長距離路線の運行を開始し、現在でもほぼ変わらなく盛況である。そして関西へは昼行路線を、広いエリア内の各所から運行している。
●車両データ
伊賀ライナー(三重交通)
京都―上野車庫 伊賀京都高速線
執筆・写真■石川正臣
※2020年3月発売「バスマガジンvol.100」より
高速バスアーカイブ第16弾
【画像ギャラリー】京の街と忍者の里を結ぶ「伊賀ライナー」。そのルートは歴史をたどっていた
三重交通の“緑イメージ”はすでになくイエローボディに!?
1988年、忍者の町・伊賀から名古屋へと早くも運行開始し、東京へは1989年に、大阪へは2005年から運行を始めている。そして今回紹介する国際観光都市・京都へも2016年から運行開始した。
記者が乗車したのは2017年9月のこと。2018年9月に運行が停止されたためすでに乗車はかなわなくなってしまったが、今回はこの京都から伊賀・上野車庫までのルートをたどる。
京都からの乗り場は同じ三重交通が運行する、中部国際空港便や津、四日市方面の共同運行する京阪バスの八条口だ。
朝の京都駅八条口は夜行の到着、次いで大阪などへの通勤通学用高速路線、直Qバスの発着など、目まぐるしくバスが行き来する。そんな中に囲まれて目的の伊賀ライナーがやって来た。
三重交通のバスは歴代と変わらずダークグリーンの外観だが、観光車や高速車はグリーンのイメージは踏襲するものの、ちょくちょく変化し、やって来た車両も黄色に近い黄緑色のいすゞガーラだった。
京都駅を発車すると北上し五条大橋を渡る。鴨川の流れは静かで穏やか。京阪五条でも乗車客があり、乗客の半数が外国人客。清水寺の最寄り駅でもあることから、ここでも乗車できるようにしたと思われる。