今回の乗りバスはウワサの京王バス「052系統」だ。バスファンの間では何かと話題になり登場した052系統は、路線開設から約1か月が経過した。少し落ち着いたところで、乗車してみた。
052系統は渋谷駅から新宿駅西口を経由してそこからほとんど停車せずに新橋駅までの不思議な路線で、1日3本全便が燃料電池車で運転されている。なお、路線系統図はギャラリーに入れているので参考にしていただきたい。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
写真:小野寺利右
新宿駅西口までは宿51系統と重複路線
京王バス単独の路線として開設された052系統だが、始発地の渋谷駅は路線が新宿駅西口まで重複する宿51系統とは違う停留所から発車する。
宿51系統はマークシティと渋谷駅の間にある道路上の「島」ホームから発車するが、052系統はマークシティのエスカレーター前から発車する。よって知る人は宿51系統の増便として利用することは可能だ。
燃料電池車であるトヨタSORAは発車時刻前には停留所に到着して乗車扱いを始める。23区内の均一区間路線バスなので運賃は210円で京王バスの1日乗車券(500円)も利用可能だ。渋谷駅を発車した052系統は宿51系統と同じルート、停車でまずは新宿駅西口を目指す。
渋谷は「谷」なのでどの方向に行くにも坂道を登らなければならないが、燃料電池車は水素で発電しながらバッテリーに蓄えた電力でモーターを駆動させて走るので、ほぼ無音でモーターの特性をフルに発揮して軽やかに坂道を登っていく。
モーターは起動直後から最高トルクを発揮するので信号待ちからの発車や坂道発進は得意だ。
途中停留所では待っているお客さんが見慣れない系統番号とバスを「不審?」に思い、運転士に自分が行こうとする停留所に停車するかどうか尋ねている光景が目立った。新宿駅西口では小田急百貨店の前に停車し、西口ターミナルには入らない。
他の路線バスに乗り継ぐのでもないのであれば、052系統のバス停の方が便利なのかもしれない。新宿駅西口を発車すれば、ほとんど停車せずに新橋を目指す。ただし、新橋駅方向と新宿方向とではルートと途中の停車位置が若干異なるため途中停留所の乗降は注意だ。