乗りバスシリーズの今回は、西鉄バス北九州で導入した2例目の連節車路線「特快10番」だ。北九州BRTとして小倉・黒崎線「特快1番」と、小倉・戸畑線「特快25番」にはすでにメルセデスベンツ・シターロGの連節車が運行されているが、今回乗車したのは出来たての路線である小倉・恒見線「特快10番」だ。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】シターロGの特快10番で恒見営業所まで乗りバス!
特快10番のカラーはピンク!
黒崎・戸畑線はブルーのメルセデスベンツ・シターロG(以下シターロという)が運行されているが、恒見線はピンクで登場した。小倉市街地から門司区の恒見営業所に至る経路は複数ある。
特快10番はオーソドックスな小倉北区から日豊本線沿いに小倉南区へ南下し、下曽根駅の手前から進路を変え新門司港の手前にある恒見営業所が終点の経路だ。小倉・砂津停留所に小倉営業所から出てきたシターロだが、3つあるドアのうち記者は一番後ろのドアから乗車した。
つまり連節車の後ろの車両に乗ったことになる。連接車というのは筑豊電鉄で乗り慣れていたのでさほど違和感はないのだが、さすがに軌道の連接台車と連節バスとなると曲がり方が異なるためそこは楽しみでもある。これは終点の恒見営業所で思い知らされることになる。
連節車の特性
砂津を出発したシターロはすでに2連節車にもかかわらず立席状態。需要が多いのか人気なのかはわからないが、シターロの座席定員が少ないことも原因だろう。
エンジンが後ろの車両についていて前の車両を推進する(押す)機構のため、一番後ろの車軸が駆動輪になる。よって一番後ろの車輪は操舵できないので内輪差が大きい。そのために曲がるときは細心の注意を払ってハンドルさばきをしている印象がある。
記者は大型二種免許もけん引免許も大特免許も持っているが、たいていの大型の大特車は後輪も自動で操舵するので内輪差がなく運転はしやすいことを知っている。
またセミトレーラーのようなけん引する車両でもトラクター(いわゆるヘッド)がけん引し、トレーラーはくっついてくるだけなので前進する限りは意外にもバスよりは運転しやすい。
しかしリアエンジンリ・アドライブの連節車は運転したことがないが、後ろから押される感覚は慣れるまでに相当苦労しそうだ。ちなみに連節バスは容易に切り離すことができない固定編成構造になっているので、けん引免許は必要なく有償旅客輸送には大型二種免許だけあればよい。