万博の新しいバス路線ATC発着便の実際はどうなのか? 乗ってみたけど復路便廃止が決定だと!?

万博の新しいバス路線ATC発着便の実際はどうなのか? 乗ってみたけど復路便廃止が決定だと!?

 今回の大阪・関西万博へのアクセスは、続々と新路線が誕生している中で、6月15日に開設された新路線であるATC便に乗車してきたのでレポートする。この路線はなかなか好評なのだが、記事執筆時点で新規の予約が停止されている。今後の動向についての発表はされたが、まだざっくりしていて不明な点も多いことを踏まえてお読みいただきたい。

文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■協会発表の内容

運転士が足りないのか中途半端な決着に?
運転士が足りないのか中途半端な決着に?

 2025年8月4日発出の日本国際博覧会協会によるリリースは要旨次の通りだ。会期末に多くの来場者が想定されることから、2025年8月18日より輸送体系の変更(組み換え)を行う。8月18日よりP&R駐車場の利用増加により輸送力が不足している舞洲万博P&Rと堺万博P&Rシャトルバスの往路の朝早い時間、復路の夜20時以降の時間について増便する。

 同時に、当該輸送力の増強に伴いP&Rシャトルバスの輸送余力を活用して運行していたATC及びコスモスクエア駅を発着するシャトルバスについて、8月18日から復路便の廃止と往路便のダイヤの見直しを行う。また9月中旬頃を目途にコスモスクエア便への統合を行う予定。

8月18日からの往路のみのダイヤ
8月18日からの往路のみのダイヤ

 要するにパークアンドライドからのシャトル便余力を活用して運行していたATC便とコスモスクエア便は、復路の廃止及び統合するということのようだ。好評だった路線なだけに残念だが、パークアンドライドを利用してもらった方が駐車料金収入が多いのかもしれないし、あるいはATCもコスモスクエアも最終的には夢洲からの地下鉄に接続するしかないので、根本的な混雑緩和にはなり得ないのかもしれない。以下のレポートは復路便に乗車したものだ。

■復路便に乗車!

案内は親切だが遠い!
案内は親切だが遠い!

 いつもは会場に向かうシャトルバスに乗車しているが、今回はここからの便ということで紹介する。この日は朝から晴天に恵まれ、また開幕日の4月13日に飛行予定だったものの悪天候により中止となったブルーインパルスの展示飛行が行われたこともあり会場内は非常に多くの来場者で混雑していた。

 筆者も展示飛行を見終わったあと会場をあとにするつもりであったが、これを目的としていた人も多かったようで西ゲートからは続々と人が退場する様子が見られた。まだ16時という時間で帰るには早いとは思うが予約状況ではこの時間帯に満席となっている便もあるなどいつもとは様子の違う風景となった。

 西ゲートを出ると並んだ万国旗の向こうに夢洲第1交通ターミナルが見えてきた。この日も手前の桜島駅行きシャトルバス乗り場は既に行列が出来ていて続々と到着するバスに乗り込む姿が見られた。列の長さを見ているとやはり予約なしの方が行列が長く、予め予約して乗車という方が待ち時間なく乗車できるようだ。

 何時に帰るかというのはなかなか決めにくいところであるがその辺りも計画的にしておくと思わぬところで体力を使うこともないのでお勧めしたい。

 さてその桜島駅行きシャトルバスを右手に進んでいくと大阪市内へ向かうシャトルバス、高速バス、パーク&ライドバスの乗り場が見えてくる。案内の看板が置かれていたので見てみるとAのパーク&ライドバスの乗り場の下に「コスモスクエア駅」「ATC」という名前が付け加えられていた。

次ページは : ■開設当初の狙い

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