大阪・夢洲(ゆめしま)で絶賛開催中の大阪・関西万博は、国際博覧会でみると2005年の愛知県で開催された愛・地球博以来20年ぶり、また大阪では1970年の大阪万博以来55年ぶりだ。すでに万博に行った方もいるだろうが、バスマガジンらしく会場アクセス手段についてお届けする。今回は新大阪から自動運転バスで行ってみた。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■阪急高速バス新大阪ターミナル
今回は新大阪駅からである。万博会場の最寄り駅となっている桜島駅まで快速エキスポライナーも運転されている。この日もビジネス客や観光など、とても多くの乗客が行き交っていた。在来線の構内や新幹線改札口には大阪・関西万博に向かう人のための案内所が開設されていて、行き先やアプリの使い方など担当者が対応に追われていた。
筆者は1階へと移動し、駅北側の阪急ビルから階段を下りていくと見えてくるのが阪急高速バス新大阪ターミナルである。ここは阪急バスのターミナルとなっていて、各方面への高速バスが発着している。夜行バスがほとんどなので朝のラッシュ時間を過ぎた時間は人は少なくひっそりとしている。見渡してみると奥のバス停に1台バスが停車していて「関西万博会場」と書かれている。
現在はここから会場へと向かうシャトルバスが運行されており、7時~18時まで毎時1~2本が設定されている。バスは阪急観光バスの車両で、後部に「ITAMI」とラッピングされているので空港バスだろう。「AIRPORT LIMOUSINE」が「EXPO2025 SHUTTLE」と直されていた。終了後は元の空港運用に戻るのだろう。ただ今回はこのバスではなく、10時発のバスを見送るり次のバスを待つ。
■自動運転バスが登場!
やってきたバスは見た目がかなり異なる自動運転バスである。車体はやや小さめで、未来的なデザインと配色は大阪・関西万博をイメージする赤と青と白を使ったものだ。側面には「自動運転実証運行」と書かれていた。バス停にいた係員に予約画面を見せて乗車した。車内は通常の観光バスとほぼ変わらず、特に座席の幅やシートピッチ、広さに違いは感じない。全長8.8m、定員は28名なので中型車に分類されるバスだろうか。
座席周りはシンプルで前部のポケットや肘置きはあるものの、隣の座席との仕切りはなく見渡した感じではコンセントやUSB端子もない。予約人数を確認し出発した。EV車なのでエンジン音ではなくモーター音なので起動時は静かだ。高速バスの出発時と同様に自動音声のアナウンスが流れるのだが静かなのでよく聞こえる。
■中型観光バスタイプの自動運転EV車!
車体はEVモーターズジャパン F8 Series6 Coachで、車内に置かれていたチラシには中型観光タイプEVバスと書かれていた。センサーはLiDARが8台、カメラが10台、車体をぐるっと囲うように設置されている。そして前面下方には磁気マーカーセンサーが1台取り付けられている。
また「国内初!観光バスタイプのEV車両での自動運転」と書かれていた。筆者の知る限りでは、名鉄観光バスがこのバスを所有しており実際に観光バス「CIEL(シエル)」として運用が行われている。最高速度は90km/h、1度の充電で200km走行可能なのだという。名鉄観光バスは運転士運転するバスで、自動運転となると今回の万博シャトルバスが初めてということになるのだろうか。
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