■建設中区間を走行!
阪急高速バス新大阪ターミナルを出たバスは一般道を走行し、他の車両と同じように順調に進んでいく。5分ほど走ると淀川にかかる新淀川大橋を渡る。前方には大阪メトロの御堂筋線の車両も走っているのが見えた。するとバスは左側車線に移動しカラーコーンの途切れた部分から別の道路へと入っていった。
ここからが見所である自動運転区間だ。ルート上にあるバーを2本通過するとバスは自動運転モードへと移行した。自動運転としてはレベル4に準じたシステムを用いているのだが、法令上はレベル2自動運転のため常時運転士が手動介入できる体制だ。また先頭上部のパネルには自動運転中の表示が出され、操舵自動制御中・アクセル自動制御中・ブレーキ自動制御中という表示も確認できた。
隣のパネルには運転席の様子がカメラで映されていて、それを見ると確かに先ほどまでハンドルを握っていた手が離れている。バスはふらつくこともなく画面を見ていなければ分からないほど順調に進んでいる。速度も約60km/hを維持して走行しているようだ。
■磁気誘導っぽい自動運転?
ちなみにこの区間は現在建設中の阪神高速「淀川左岸線2期」区間の「豊崎出入口~海老江JCT」でまだ供用されていない。よってここを走るのは万博シャトルバスのみだ。そして道路をよく見ると車線中央部に色の違うラインになったような所があり、ここに埋め込まれた磁石のマーカーを前面にあるカメラや磁気マーカーセンサーで読み取りながら走行する。
自動運転で走行するのはこの工事が行われている区間4.3kmで、そこを過ぎると海老江JCTから既に併用されている区間へと進入していく。車内のパネルには「自動運転区間が終了しました」という文字が表示され手動運転へと戻る。その後も阪神高速を走行し、淀川左岸舞洲で一般道へ出て、夢洲交通第1ターミナルに到着した。乗車時間は約30分弱で予定の30分通りに到着することができた。バスを降りた乗客は急ぐように西ゲートへと向かっていった。
■急がば回れが正解かも?
今回は大阪・関西万博会場に新大阪駅から向かう万博シャトルバスについてお届けした。各所で自動運転バスの実証実験が行われているのは、バスマガジンWEBでも何度か紹介しているが、今回はそれに加えて開通前の高速道路でレベル4の運転が体験できるのでぜひ一度体験してもらいたい。
ただし乗車方法は若干ハードルが高い。まず乗車日現在の運行スケジュールによると、運行日は月曜日と木~日曜日、時刻は10時30分の便と14時30分の2便で本数が少ない。そして自動運転は万博会場行きのみの片運行で、新大阪駅行き手動運転である。またバスの予約・決済は「KANSAI MaaS」というアプリで行う。
大阪・関西万博は完全キャッシュレスで、会場アクセスもネットによる予約や決済が非常に多い。発着は阪急高速バス新大阪ターミナルだが、乗り場窓口でチケットが購入できるわけではないので注意してほしい。乗車にはこちらから予定を合わせる必要があるが、路線バスタイプの車両とは異なる観光バスタイプの自動運転車に乗車する機会は多くない。
建設中の阪神高速「淀川左岸線2期」区間の完成は2033年度の予定である。走行した区間は完成時にはトンネル区間になる予定なので、そもそも空の見える開口した状態で走行できるのも今しかない。そうした貴重な体験ができる路線であると同時に、地下鉄や桜島駅からのアクセスが時間がかかりすぎてかえって新大阪からバスに乗った方が30分で到着できるメリットがあるので実用面からも新大阪駅からのバスを体感してみてはいかがだろうか。
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