大阪・関西万博へのアクセスについては、前回にシャトルバスに乗車してレポートした。本稿では会場に到着した後に、会場内を走るバスを実際に利用したみた。万博会場内の外周バス「e Mover」とはどういうバスなのか、先端技術の粋が詰まっているのか。そのあたりにも注目して利用した乗車レポートである。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■e Moverのバス停
最寄り駅からのシャトルバスに乗車し、夢洲交通第1ターミナルに到着したあと西ゲートから入場すると広々とした広場と植栽された木々が出迎えしてくれる。その向こうには企業パビリオンが、そしてバックには大屋根リングという巨大な建造物がある。
その存在感に圧倒されていると、敷地の外を走っているバスを見え、「e Mover(イームーバー)」という標識がり停留所のようだ。テープで区切られた待機列に沿って歩くと乗り場へ誘導される感じだ。入口付近には「西ゲート南停留所」と表示されたデジタルサイネージが置かれ、路線図や注意事項が書かれていた。時刻表はなく、運転間隔が約3~5分間隔、自動運転は20分間隔と表示されていた。
■乗車券の決済
その奥には郵便受けのようなものがあり、中には交通系IC端末とクレジットカード端末が置かれていた。運賃は1乗車400円で乗り放題券が1000円だ。すなわち3乗車以上する場合は、乗り放題券の方がお得ということだ。換言すると3回乗車すれば元は取れる、ということだろうか。
この日は雨が降っており、傘が必要だったので雨を避けるために1日乗り放題を買う方がいいと考えたが、ここで困ったことが起きた。係員に購入する旨を伝え決済しようとしたのだが、非接触の端末に対して最初取り出したカードが従来の端末に差込みするタイプのカードであった。
この場合はどうなるのだろうと聞いてみると、腰に付けていた端末でカードを読み取るらしい。初日で不慣れなのか、通信回線の支障なのか決済の画面にまでたどり着かない。別のタッチ決済可能のカードがあったので無事購入した。スムーズに乗車するためにタッチ決済可能なカードを用意すべきなのか。
■自動給電バスも!
決済を済ませると係員から乗り放題を示すためのリストバンドを受け取る。何かカードタイプのものが出てくるのかと思っていたが、ライブなどで使用される腕に巻く紙バンドのようなタイプで、これを見せて乗車する。
次のバスがやってきたので傘を閉じ急いで乗車する。車内は思ったよりも多くの人が乗っていて、塗れた傘をなんとか他の人にあたらないように持つのが大変だ。小型のバスなので座席の定員は15人程度、立席を含めても20人程度ではないだろうか。
ただ運転間隔は短いので次のバスを待って乗るということも可能だ。車両はEVモーターズ・ジャパン製の小型路線バスで、リリースによれば約100台が万博会場外周ルート4.8kmを走行するようだ。運行は大阪メトロが担当する。
またバスは通常のEVバスに加えて道路に埋め込んだコイルから給電しつつ走行する「自動給電バス」、レベル4の「自動運転バス」がある。 出発したバスは軽やかに走行していく。独特なギアチェンジによる振動やディーゼルエンジン特有の音や臭いなども一切ない。
しばらく走ると大屋根リングが見えてきた。大屋根リングは一部が海に出ているのだが、その下はバスなどが走行する道路が走っている。もちろん徒歩では来ることができないので、この景色はぜひ楽しんでほしい。
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