大阪・関西万博外周バスの「e Mover」には乗る価値アリ!? 自動給電と自動運転に刮目せよ!!

■停車停留所の違い

停車停留所が異なるので種別分けしてもいいのでは?
停車停留所が異なるので種別分けしてもいいのでは?

 そうしているうちに終点のリング西ターミナルに到着した。乗り放題だが、ずっと乗り続けることはできないので下車する。雨に加えて風も出てきているので傘を飛ばされないようにしながら撮影を続ける。ここはeMoverと自動運転のeMoverの停留所となっているので、バス停は2つ用意されている。

 筆者が乗っていたバスの先に自動運転バスが停車していた。デジタルサイネージによるとeMoverは外周ルート上に6ヶ所の停留所があるが、自動運転eMoverは無停車のノンストップ運転だ。またeMoverを見ると行く方向で停留所の数に違いがあり、西ゲート北ターミナルからリング西ターミナルに向かっては各停だが、逆向きは東ゲート南停留所のみ停車なのでうまく使って効率よく移動したい。

■座席定員制の自動運転バス

座席定員制なので乗車整理券が交付される
座席定員制なので乗車整理券が交付される

 続いて自動運転のeMoverに乗車した。西ゲートまで戻っていたので、もう一度西ゲート北ターミナルまで向かう。入口にいる係員に声をかけて乗車の手続きをする。乗車自体は同運賃だが予約が必要なのが異なる。ただし事前予約が必要ではなく、当日この乗り場で予約する。これから乗車したい旨を伝えると、クリアブックを開いて空き状況を調べてくれた。

 中にはカードが入っておりカードの数が乗車可能人数ということのようだ。自動運転バスは立席できないので座席定員制ということだ。ここまで入場券を含めデジタルチケットばかりなのだが、自動運転バスの乗車整理券が記念になるような紙のチケットなのは意外だった。

 ほどなくバスがやってきた。いかにも自動運転バスというような各所にカメラやセンサーが取り付けられた車両だ。運転席後部にパネルが設置され、各部のカメラの映像や各種データを示すモニターや走行ルートのラインが表示されていた。ほぼ座席が埋まったところでバスは出発した。

■気になった問題点

手動運転のEVバスに抜かれる
手動運転のEVバスに抜かれる

 走行が始まるとパネルからは音声での案内が始まった。先ほどとは別のパネルに映し出されたナビゲーター、MAIによる案内だ。このキャラクターがルートの案内や自動運転バスについての説明やクイズを出し乗客とのやり取りの機会を作っていた。

 空飛ぶクルマが離着陸する「モビリティエクスペリエンス」を横に見ながら順調に走行し、途中の停留所には立ち寄らず本線を走行する。レベル4の自動運転と聞いていたので運転席はどうなっているのかと気になっていたが、無人ということはなく運転士が乗務していた。

さまざまな先端技術が組み込まれたバスたちが走る!
さまざまな先端技術が組み込まれたバスたちが走る!

 ただ自動運転なのでハンドルには手をかけていないようだ。 そしてルート上でも気になることがあった。まずは途中の東ゲート南停留所を過ぎた辺りである。この先には医療救護施設があるのだが、救急要請があったらしくルート上に救急車が停車していた。

 道路はeMoverの専用道路ではなく万博関係の車両も通行し、バスの間に入って走行している。よってこのような事態も考えられたのだが、自動運転バスは当然のように停車してしまう。救急車には担架が乗せられたようなので、そのうち出発するのだろうと思っていたが、その間に別のeMoverに追い越されてしまった。

伝統的手法の建築物の中を走るのは乗車の楽しみの一つ
伝統的手法の建築物の中を走るのは乗車の楽しみの一つ

 通常のEVバスはハンドル操作で避けることが可能だが、こちらは障害物として認識している以上は動かないと運行再開されない。その状況がまずいと思ったのか同乗している係員の指示と操作で手動運転モードに切り替えて救急車を回避して走行した。イレギュラーなことではあるが、バスが停車したままでは困るので、今後の対応についてフィードバックが必要だ。

 その先の東ゲート北停留所では停留所から出発し本線に入ってこようとしていたバスと危うく接触しそうになる場面があった。向こうのバスが接近に気がついたようでブレーキ操作をしてくれたので事なきを得たが、自動運転バスは特に減速や急ブレーキの様子はなかった。

客室は小型路線バスそのもの
客室は小型路線バスそのもの

 左からバスが接近していたのを認識できていたのかどうかは筆者には分からなかったが、とても危険だ。今後のためにしっかりと検証してもらいたい。とりあえず無事にリング西ターミナルに到着し降車した。

次ページは : ■まとめ

最新号

【3月22日発売】巻頭特集は「相鉄バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン128号!!

【3月22日発売】巻頭特集は「相鉄バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン128号!!

バスマガジン Vol.128は3月22日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、相鉄バスを特集。神奈川県の中心部・横浜から県央部のエリアで、鉄道・相鉄線とともに綿密なネットワークを展開する事業者だ。