バスのお仕事とは、なにも運転士だけではない。貸切バスのバスガイドも重要な職業だ。現役バスガイドが楽しく真剣に仕事の魅力や大失敗談を赤裸々に語る「へっぽこバスガイドの珍道中」をお届けする。今回はバスガイドの七つ道具を紹介しながらやっぱりやらかすへっぽこぶりを暴露する。
文/写真:町田奈子
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■バスガイドってそんなに荷物あるの?
みなさんはバスガイドが普段どんなものを持ち歩いているか気になるかもしれない。そこで今回は、バスガイドの七つ道具をご紹介しよう。
バスガイドは普段、乗務に出るためにいろいろなものが必要になる。まず、みなさんが思い描くものといえば、帽子、旗棒、マイクにガイドの教本や乗務する路線の案内図。この辺りは想像しやすいだろう。実は、ガイドが持っているマイクはバス会社によっても異なるが、ガイド個人の持ち物だ。
それが自前で用意したり、会社支給だったりという差異はあるものの、自分専用である会社は多い。これはご存じないかもしれない。だがそれ以外にも、手袋、乗務鞄(外で持ち歩く用のカバン)、行き先ごとの路線帳に地図、アルコールチェック用の専用ストローなど、様々なものを持っていくのだ。
■忘れ物はへっぽこガイドの宿命と開き直る?
どれも大事な七つ道具で、決して忘れてはいけないアイテムだ。それでもやらかしてしまうのが、へっぽこガイド。というわけで、私は数々の失態を犯しているのである。業界を問わず新人というものは誰しもやらかしてしまうものだというのはよく承知している。しかしそれも限度ものだろう。
例えば、仕事に出てから帽子がない!だとか、あるはずの旗がない!だとか、旗の番号を忘れてきたり等々数え上げればキリがない。
時には乗客の引率に必要な旗を失いかけたこともあった。何とか見つかって事なきを得たが、バスガイドとしてはあってはならないことが多発していたわけだ。正直、この記事を書いている今も思い出すだけで冷や汗が止まらない。
■「このあんぽんたん!!」が今でも忘れられないよ
新人時代の忘れ物エピソードといえば、まだ研修中の時のことだ。「この資料を持ってきてね」と言われていたのに、その資料をまんまと忘れてしまった。
その時、指導ガイドの先生が放ったひとことは「このあんぽんたん!!」あの時はもう本気で穴があったら入りたかった。しかし先日、部屋を整理していたらその時の資料が発掘されて、思わず笑ってしまった。今でも思う、あの頃の私は筋金入りの「あんぽんたん」だったのだ、と。
■忘れ物も成長の一部なんだ
忘れ物の数だけ、教わった背中がある。叱ってくれる人がいて、守ってくれる人がいる。そのたびに反省して、徐々に「へっぽこ」から遠ざかり、そして卒業していくのだ。
それでもきっと、私はまた何かを忘れるだろう。でもその度に、先輩方の姿を思い出して、次こそは同じミスをしないように、と自分に言い聞かせる。たまたまやらかしてしまった私の乗務担当車に当たってしまった乗客の皆様には今でも大変申し訳なく思うが、やらかしがバレたときほどお客様の思い出に残っているようで、そのたびにお客様にも励まされて成長してきたような気がする。
ガイドも人間だという言い訳はしたくないが、それでも失敗はつきものだ。確かに限度ものではあるが、私に当たったときには思いっきりバス旅を楽しんでお金では買えない思い出をお土産としてお持ち帰りいただきたい。そしてまた、新しい一日が始まる。今日も元気に、発車オーライ!
【画像ギャラリー】【へっぽこバスガイドの珍道中】バスガイドの七つ道具とは?それを忘れてくるやらかしぶりに先輩は閉口!(4枚)画像ギャラリー








コメント
コメントの使い方