北海道・知床半島の代表的な観光拠点の一つにウトロの町がある。通常ウトロまでアクセスするには自動車が不可欠となるが、公共交通機関(バス)を使った行き方も数パターンから選べる。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、斜里バス知床線の写真があります)
■行き方あれこれ、ウトロへのアクセス
ウトロへ行く主なバスに、まず夜行/昼行高速バス「イーグルライナー」がある。これを利用すると、札幌〜ウトロ間およそ410kmを乗り換えなし、7時間ちょっとでアクセスできる。
もう少し他の交通手段でウトロに接近してから、最後にバスで行こうと考えた場合、1〜3月・6〜9月の間であれば、女満別空港もしくは網走駅が手頃な候補になる。
女満別空港/網走駅には、上記の期間ウトロへ行く予約不要の直通バス「知床エアポートライナー」が1日2往復出入りしており、そういうバスがあると覚えておけば何かと心強い。
■知床斜里駅発という選択肢
イーグルライナーや知床エアポートライナーのほか、よりウトロへ接近した場所から、通年運行している普通の路線バスを使っても行ける。
JR線としてのウトロへの最寄駅となる、釧網本線の知床斜里駅〜ウトロの間およそ37.4kmの距離を結んでいる、斜里バス「知床線」がそれだ。
シーズンごとに1日片道4〜6本くらいの設定で、昼前〜昼過ぎにかけてバスの走る間隔が開く、いかにもなローカル路線バスの運行スタイル。
とはいえ、JR釧網本線の列車(これも本数が超少なくて……)が知床斜里に停まる時刻に、バスの出発/到着をある程度合わせてあり、使い勝手はそう悪くない。
■バスの種類は2タイプ?
2025年9月に現地訪問した際の様子をもとにすると、知床線には高速バスタイプの12m級ハイデッカー車と、路線バス向けで一般的な10.5mクラスの2扉大型路線車が共通で使われていた。
乗り方はドアが前に1カ所のハイデッカー車に寄せてあり、2扉の大型路線車も前乗り・前降りで運賃後払い方式の「しめきりバス」の扱いになる。
訪問当日は知床斜里駅前の斜里バスターミナルを16:10に出発する便を捕まえ、この時はハイデッカー車(いすゞガーラ)だった。
ハイデッカー車の際は車両的に高速バスとほぼ同じ見た目であるが、知床線は一般路線バスに相当するため予約等は不要。運賃の支払いは車内で現金精算する。
他にも、斜里やウトロのバスターミナルで乗車券を発売しており、先に切符を買ってから乗るのも便利な方法だ。
■圧巻のサンセット!!
バスが斜里バスターミナルを出発して、斜里町の市街地を抜けると、「天に続く道」と呼ばれるスポットが一部に含まれる国道334号を、ほぼ道なりに進んでいく。
しばらくすると、国道が知床半島の海岸線に添って続くようになり、ウトロ方面へ向かう際は進行方向左側にオホーツク海が広がり車窓からの景色は抜群。
訪問した9月頃は、ちょうど日の入りが16〜17時台にピークを迎える頃合い。しかも走行中は方角的に太陽が海側に沈む、夕陽を拝むには理想にして最強の構図になる。
国道334号の同区間は紛れもない絶景ドライブルート。快晴だったのも手伝い、ため息が出るほど美麗なサンセットオーシャンビューが終点近くまで続いて圧巻だった。









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