万博の新しいバス路線ATC発着便の実際はどうなのか? 乗ってみたけど復路便廃止が決定だと!?

■開設当初の狙い

どこから来場するにも定員の少ない地下鉄かバスしかないので根本的な解決は不可能か?
どこから来場するにも定員の少ない地下鉄かバスしかないので根本的な解決は不可能か?

 博覧会協会のリリースによれば大阪・関西万博会場における東ゲートの入退場時の混雑緩和、大阪メトロ中央線の混雑緩和および、西ゲートへの来場ニーズの高まり等を踏まえ、西ゲートにアクセスする交通手段の輸送力を増強するため、このたび、アジア太平洋トレードセンター(ATC)と会場西ゲート間を結ぶシャトルバスの新路線を開設することとしたとある。(編集者注:開設当初の発表)

 コスモスクエア駅は大阪メトロ中央線の駅で夢洲の1つ手前の駅になる。アジア太平洋トレードセンター(ATC)はコスモスクエア駅から乗り換えする南港ポートタウン線(ニュートラム)で1つ先の駅「トレードセンター前」駅が最寄り駅だ。

 いずれも手前の駅で降車してもらうことで交通集中を避け、東ゲートから西ゲートへ人の流れを移動させようという狙いだ。どちらの路線も所要時間は約15分、運賃は350円だ。そしてその乗り場は後から追加されただけあってAホームの一番奥になっていた。

■場所は分かるが遠い!

見ているだけで多くのバスがやってくるのでバスファンには楽しいのだが…
見ているだけで多くのバスがやってくるのでバスファンには楽しいのだが…

 看板の行き先に従って歩いていく。運用するバスの多さや待機場所の確保もあって敷地が大きい分移動するのも大変だ。横を見ると今日も多くの高速バス車両が次の出発時間の間待機しているのが見れた。

大阪空港交通譲りの塗色で万博リムジン専用車に!
大阪空港交通譲りの塗色で万博リムジン専用車に!

 多くは大阪市内で見ることのできる会社だと思うがこれほどさまざまな会社のバスを一堂に見れる機会もそうそうない。またEVバスや自動運転バス、新技術を用いた合成燃料で走行するJR西日本バスの車両や今回の万博仕様にラッピングされたバスなど実にカラフルなラインナップだ。

阪急観光バスはリムジンカラー!
阪急観光バスはリムジンカラー!

 カラーコーンに取り付けられた看板を見ながらどんどんと行き先別にレーンが細く分かれていってそのもっと先に歩いていくとコスモスクエア駅、そしてATC行きという看板が見えてきた。チケットの画面を確認した後、バスを待つ列に並んだが出発までまだ20分ほどという段階でもう15人ほどが並んで待っている状態だった。

大阪以外の観光バス会社まで動員しなければさばけない?
大阪以外の観光バス会社まで動員しなければさばけない?

 まだ時間もあるので周りを見渡してみると北側にはまるで海のように綺麗に敷き詰められたソーラーパネルが広がっていて、その向こうに観光バスの駐車場が見えた。あれは夢洲第2交通ターミナルで主に団体客、バスツアーで訪れた観光客や学校などの団体は向こう発着となる。

両備バスの貸切車
両備バスの貸切車

 待機列の外側を何人もの人が歩いていく姿が見られたがこの筆者がいる位置からでも歩いて5分はかかりそうな場所なので、もう少し近い位置に設けられていたらと思ってしまう。

■いざ乗車!

神戸ナンバーの帝産バスがやってきた!
神戸ナンバーの帝産バスがやってきた!

 しばらく待っているとバスがやってきた。やってきたのは帝産観光バスの車両であった。神戸ナンバーというところから、新路線を広げているものの大阪だけではバスを確保するのが難しいという状況が予想される。車内はほぼ満員という状態で定刻に出発した。

岡山から応援の下電バスはコスモスクエア便
岡山から応援の下電バスはコスモスクエア便

 バスはバスターミナルを出ると建設中の大阪IRの敷地を回って東へと走行する。それまで乗車したバスはそのまま直進し夢舞大橋、此花大橋と渡って阪神高速へと入っていくのだがこのバスは大阪IRの敷地をほぼぐるっと1周してまた万博会場の方へ向かっていくと東ゲートの横を通過していく。東ゲートを退場した人の待機列がエントランスの周囲を埋めているのを横目にバスは走行していく。

伝統の阪急カラーで応援の阪急バスは尼崎パークアンドライドシャトルバス
伝統の阪急カラーで応援の阪急バスは尼崎パークアンドライドシャトルバス

 見てきたのは夢咲トンネルである。これをくぐるとポートタウンだ。トンネルを出た先の交差点を右折するともう目の前にはATCの建物が見えてくる。ただここも桜島駅バスターミナルと同様、右折してバス停にアクセスができないため交差点を左折。

京阪バスのマルビル行き路線車
京阪バスのマルビル行き路線車

 大きく迂回する形でその近くにある展示場「インテックス大阪」を周るように走行してATCのバス停に到着した。所要時間はリリースと同時刻の15分であった。降車した乗客はニュートラムのトレードセンター駅に向かって移動していった。

次ページは : ■別サイトで予約を受け付け!

最新号

【6月23日発売】巻頭特集は「会津乗合自動車」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン129号!!

【6月23日発売】巻頭特集は「会津乗合自動車」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン129号!!

バスマガジン Vol.129は6月23日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、会津乗合自動車を特集。同社は福島県の約4割の面積を占める会津地方を営業区域とし、路線は会津盆地の若松・坂下・喜多方を拠点に、平野部の住宅地域から中山間地域へ広がるほか、東部の猪苗代・郡山湖南地区と南部の田島地区にも路線を有している。