統一地方選挙の期日が近くなり、政治記者には忙しい季節になってきた。バスマガジンは選挙と直接関係はないが、西日本鉄道(西鉄)が4月9日(日)まで、同社が運営する商業施設「ソラリアプラザ」において「センキョ割」を実施しているというニュースが届いたのでお伝えする。特に福岡市民の方は要チェックだ。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧ください)
■統一地方選挙でお得になるって?
「センキョ割」は、統一地方選挙における福岡市の期日前投票所の設置にあわせて実施するもので、投票所で交付される投票済証を対象店舗で提示すると各種特典が受けられるサービスだ。
今回の統一地方選挙においては、期日前投票所がソラリアプラザ1階のイベントスペース「ゼファ」に設置される。西鉄天神高速バスターミナルや西鉄福岡駅からすぐのところで、天神の中心地に位置する商業施設という好立地を活かして「センキョ割」を実施。
市民には投票に足を運んでもらい、社会参加への意識向上と選挙への興味・関心につなげたい考え。なお、ソラリアプラザにおける期日前投票所の設置と「センキョ割」の実施は1989年の開業以降で初めての試みということ。
「センキョ割」で特典が受けられる店舗は18店舗で、お会計での割引や飲食店では1ドリンクサービスといった多様な特典・サービスを用意。今回ソラリアプラザに設置される期日前投票所は、福岡市内のどの行政区に居住していても期日前投票を行うことができる。
■選挙は大切な国民の権利!!
ここからは記者のオピニオンだが、コロナで大騒ぎになったここ数年の間で選挙に対する重要度がさらに増したように思える。
たとえばコロナの中での給付金やワクチンのスピード、医療機関や学校に対する対応等々、地方自治体が主に実務を執り行う政策が多かった。そして何よりも都道府県知事の権限がモノを言った数年ではなかっただろうか。
緊急事態宣言やそれに伴う行動制限については知事の権限が大きく、普段は知事の地方行政政治が住民の目に見える形にはなりにくいが、コロナの中での知事の行動力は都道府県間の格差に見えてしまったため、理想の知事像が変わった方もいるのかもしれない。
■地方選挙は生活に直結しているからなおさらだ!!
市区町村長や地方議会にしても、国で決まった給付金をいち早く住民に配るために行政と議会が協力して、まずは当該市区町村の予算から先払いして後で国から配分される交付金で埋める方法が執行できた自治体は早かった。
反対に首長に実行力がなく、あるいは議会との関係がよくないか行動が鈍い自治体では議論をしている間に年をまたいでしまった。結果的に国からの交付金を待って配るという緊急事態時に「普通」の対応しかできなかった自治体とは大きな格差が出た形だ。
どれが良かったのかは有権者がよく考えて結論を出せばよいことだが、それだけ地方選挙も生活に直結するだけに軽視してはいけないと考える。
■交通系ターミナルの重要性も見える
駅やバスターミナル、または商業施設等の常に人の集まる場所に期日前投票所を設置することは、住民の導線や経済活動から見ても理にかなっている。
もちろん自治体としてはそういう場所全部に設置したいのだろが、もともとスペースがなかったり、協力が得られなかったりと必ずしも利便性が高い場所に投票所があるとは限らない。
福岡市の中心である天神地区はバスは言うに及ばず、西鉄電車や地下鉄も乗り入れりうことから、交通の要衝であることは言うまでもなく、目的地が天神である人も多いが、乗り換えのために天神を通る市民も多い。その点では最適な場所なのかもしれない。
特典目的で投票をするのは順序が違うという指摘もあるが、行政や政治に不満があり文句を言うならば、改善してくれそうな人を投票先にして選挙権を行使するのが間接民主主義の大前提だ。
きっかけは特典であっても続ければ意識も変わろうというものだ。バス(電車でもよいのだが)の中でよくよく考えながら投票先を決めたい。
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