東京-福岡間は多くの交通機関があるが、夜行となると高速バスかフェリーか新幹線+サンライズかの3択になる。今回は西鉄の「はかた号」と山陽新幹線+サンライズ瀬戸という組み合わせで往復したので夜行という観点で比較してみた。決着をつけるというよりも選択の参考にしていただければ幸いである。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】はかた号エアロクイーン・500系V編成・285系(20枚)画像ギャラリー早くて安いのは飛行機も結局は同じか!?
東京-福岡間で最も安くて早いのはズバリ航空機だ。それもLCCは運賃も時間も他を圧倒していて勝負にならない。ただし成田空港まで行かなくてはならないので東京駅-博多駅間とした場合は、のぞみ号の約5時間と大して変わらなくなる。
ちなみに現在では新幹線もスピードアップを果たしているので、対東京で航空機と新幹線が張れるのは広島とされている。
フェリーはもちろん夜行で、東京側は東京港フェリーターミナルからなら徳島港経由で北九州市の新門司港まで2泊、横須賀港からなら1泊で到着する。巨大な船舶なので居住性はかなりいいが、基本的にトラック輸送を基準にダイヤが設定されているために、徒歩客には使いにくい側面がある。
往路は約14時間! はかた号の豪華シートを選択
今回は往路を「はかた号」とした。所要時間は14時間17分だ。運賃はダイナミックプライシング制が導入されているので定価はない。記者が乗車した時にはプレミアムシート(個室)で19000円だった。
バスタ新宿を21時に出発して、博多バスターミナルに到着するのが翌11時17分。もうお昼前なのでお世辞にも寝ている時間を有効にとは言わないが、乗り換えなしで都心から地方都市へダイレクトで結ぶのはバスならではだ。
プレミアムシートはさほど大きくリクライニングするわけではないが、座席が個室2列で大きいのと、座面とほぼ同じ大きさのレッグレスト装備なので、疲労感はまったく感じなかった。「はかた号」については別稿に詳細をレポートしているので関連記事からご覧いただきたい。
復路は「サンライズ瀬戸」
復路は山陽新幹線から岡山乗り換えでサンライズ瀬戸とした。岡山からなのでサンライズ出雲でも構わないが、瀬戸の方が先着するので若干ながら早く乗りこめるメリットがある。
山陽新幹線はのぞみ号でも良いのだが、「はかた号」と所要時間を近くするためと、なるべく安くてグレードの高い座席にするために500系こだま号の6号車普通車指定席を選択した。
500系の6号車は16両編成時代のグリーン車がほぼそのまま使用されているので、指定席料金で実質的にグリーン車に乗車しているのと変わらない。
700系7000番台(レールスター)やN700系7000/8000番台(みずほ・さくら号)でも指定席は4列シートだが、あくまでも普通車のアップグレードシートなので、元グリーン車のシートにはかなわない。