夏の旅行シーズンで航空機を利用する人が多いだろう。空港までの移動手段には乗用車の他に、鉄道直結であれば電車で、そうでなければたいていはバスのお世話になるはずだ。そんな空港連絡バスについて路線や事業者により異なるが、注意事項をまとめてみた。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■専用車両を運用している路線は問題ない
空港連絡バスで重要なのは荷物の積載だ。大きなスーツケースやキャリーバッグを持って航空機を利用する方が多い。機内持ち込み可能でも、その前のバスに持ち込めなければどうすることもできない。
空港連絡専門のバス会社や、空港路線に積載を考慮した専用車両を投入している路線の場合は特に問題はない。現在は少なくなったが、かつては客席のスペースをつぶしてでもスーツケースを置ける荷物置き場が設置されていた。
このようなバスでは航空機に積載できるたいていの手荷物は積み込める。ただし、専用車両を持っていないバス事業者や路線の場合は要注意だ。
例えばジェイアールバス関東のホームページには注意喚起の案内が掲載されている。概要は次の通りだ。
「ご利用当日にお持ち込みいただけないお手荷物をお持ちになり、積み込みをお断りするケースが発生しております。あらかじめ宅配便をご利用いただくなどのご対応をお願いいたします。また、お時間には十分余裕をもってバス乗り場までお越しください。」
■ということでバス運転士に聞いてみた
そこで本誌では実態をバス事業者で空港連絡バスに乗務した経験のある現役運転士に聞いてみた。あらかじめお断りしておくが、これはあくまでも一例であり、事業者や路線または車両により異なる。ご利用の際は詳細を利用予定事業者にお尋ねすることをお勧めする。
記者:「キャリーケースはよく見かけますが実際はどうなのでしょうか?」
運転士:「とにかく今の若い世代を中心に箱型のいわゆるスーツケースを持ってくる人が多いと感じます。わたしらの世代までなんですかね?旅行バッグ的な感覚は(笑)」
記者:「しかし空港に行く人はほとんどが旅行者ですからスーツケースくらいは持ってきますよね?」
運転士:「例えば40席のバスに40人が40個スーツケースを持って来られても、バスのトランクはいっぱいいっぱいですよね。ですから空港バスは事業者や車両により取り扱いは異なると思いますけど、全員がスーツケースを持ち込まれても積載が出来なくなる事から40席すべては発売しません」
記者:「それは困りますね。あらかじめスーツケースの積載を見込んで座席を発売するのですね?何かいい手はないのでしょうか?」
運転士:「実際にスーツケースでトランクがいっぱいでも、車内の荷棚はすっからかんということはよくあります。
国際線の場合は仕方がないのかもしれませんが、旅行バッグ程度なら車内の荷棚にも足元にも置けますよ。ですから今回はスーツケースじゃなくて旅行バッグでいいか、と思われる方は身軽なバッグで旅行されるのがおススメです」
記者:「それでも大型の荷物がある場合もありますよね?」
運転士:「移動中に使用しない荷物や、帰りのお土産を見越して空のケースを持っていく場合には宅配便で宿泊先に送ってしまうのがいいと思いますよ。
LCCを使うと運賃は安いですが、受託手荷物の料金を支払うなら家から送ってしまったほうが安く済む場合もありますし、何よりも身一つで旅立てますからね。座席はあるのに荷物がいっぱいで積み残しという事態が運転士としてはお客様に最も申し訳ないことなのですよ」
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