10年に一度という都市伝説がまことしやかに流れる幻の「三重交通グループ感謝祭」を取材したのでレポートする。2024年は三重交通の80周年で感謝祭が盛大に行われた。盛りだくさんのイベントなのでレポートを分割紹介する。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■ハイデッカーでの送迎付き!
バス会社でもこれまで開催されていたイベントが復活しているようだが、10年ぶりというイベントが先日開催された。筆者も参加したので今回はその模様をお届けする。三重県の県庁所在地である津駅は日本で一番短い駅名だ。ここから会場へ向かうシャトルバスが出るので、係員の案内に従ってシャトルバス乗り場へと向かった。
少し待っていると反対車線をバスが通過していき、駅のロータリーで転回して戻ってきた。路線車と思っていたが、まさかのハイデッカーだったので着席で会場まで向かうことができる。シャトルバスの運行は9時からであったが乗車人数が多くなってきたのでそれよりもやや早く出発となった。津駅から乗車すること約20分ほどで会場に到着した。
会場は三重交通の中勢営業所である。イベント名称は「三重交通グループ創立80周年記念イベント 三重交通グループ感謝祭」だ。三重交通といえばこの三重県全域及び東京都、埼玉県、神奈川県、愛知県、和歌山県、奈良県、滋賀県、京都府、大阪府の一部で乗合バス事業及び貸切バス事業を運営しているバス会社であり、白いボディに緑のラインがバスが印象的である。
また関連会社を含め新旧さまざまなバリエーションのバスを見ることができ、多客期における輸送では台数で威力を発揮している。鈴鹿サーキットで毎年開催されているF1日本グランプリの輸送では「#三重交通の本気」というハッシュタグでSNSで話題になるほどだ。
そんな三重交通のバスイベントを自社で開催するのはかなり久しい。前回は創立70周年記念で開催されて以来で、なんと10年ぶりである。
■入札にはしない三重交通の良心的な販売手法
10時開門で、朝早くから並んだ来場者が一気に会場へと流れていく。どのような催しが行われたか紹介していこう。まず向かったのはバス廃品販売である。廃車バスから外した部品や車内に貼ってある各種ステッカー類、また廃止や名称が変更になったバス停の丸看板やバス車体の色見本パネル、方向幕、行程表やバスのカタログが販売されていてた。当然ながら開場直後から長い列が出来上がった。
なかなか高価なものもあったが、売れ行きは好調で1時間ほどでほぼ完売するほどだった。横ではバス廃品抽選販売が行われた。希望者は10時~12時の間にバスの車内を物色し、欲しい部品を確認。テントに置かれた用紙に必要事項を記入し、欲しい部品が書かれたボックスに投函する。午後に抽選を行い、当選した人が購入権獲得という流れだ。
オークション形式の入札ではなく、表示価格で買える純粋な抽選なので良心的だ。1点ものが多かったが、中には複数当選もあったので楽しみもあって、多くの人が投函していたようだ。今回バラされたバスは、伊賀営業所に所属していた「いすずKC-LV380L・富士重工7E架装車」である。
前扉の下には「上」という文字があるが、これは以前存在した上野営業所の表示が残っているものと思われる。また前面におなじみの三重交通のマークがない。これは経年劣化で消えていったのではなく、元々からマークされておらず、その点でも珍しい車両だった。
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