世情が不安定だと何かにすがりたくなるのは古今東西変わらないようだ。みんな大好きパワースポット巡りは、お守りや御朱印集めからスタートするのもいいだろう。パワーを必要とする皆様のために、路線バスで行くパワースポットをバスマガジンWEBのオリジナル連載で紹介する。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■自分のパワースポットを探す!
雑誌やSNS界隈で有名だからと言ってそれが万人にパワースポットかどうかはわからない。自分のパワースポットは自分で探すしかない。果てしない旅のようだが、きっと「感じる」ものがあるはずだ。それが見つかれば同じ神様を主祭神とする最寄りの神社や、同じ仏様を本尊とする寺院を訪ねるのもいい方法といえる。
大都市であれば鉄道駅や地下鉄駅から徒歩で行けるスポットも多いが、もし路線バスの停留所が近ければ徒歩が少ないという意味で紹介する。またどんな理由で取り上げたのかも記者の感想や体験として本文中で触れる。バスマガジンWEBオリジナル「【バスに乗ってパワースポットへ】あなたのパワースポットを見つけよう!」にご期待いただきたい。
■皇大神宮
20年に一度の式年遷宮の日取りも決まり、9年後の大行事に向けて進行中なのが伊勢市だ。皇大神宮はいわゆる「内宮」と通称される神宮の一つである。伊勢神宮の正式な名称は「神宮」で、125もの神社からなる総称だ。
アマテラスオオミカミをお祀りしていて、日本人の総氏神とされる。正宮をはじめとして内宮には「おみくじ」はない。個人的な願い事をするようなことは恐れ多すぎて、そういう場所ではないことを物語る。そんな何もかもが特別なのが、最強のパワースポットと言われるゆえんなのだろう。
■三重交通の一択!
豊受大神宮(外宮)は伊勢市駅から徒歩で行けるが、内宮はそうはいかない。最寄り駅は五十鈴川駅だがそれでも徒歩となると大変だ。そこで三重交通の出番となる。伊勢市駅・外宮と内宮を結ぶ波動輸送は通常の休日でも行っていて、何も正月シーズンだけの話ではない。
バスマガジンWEBでは神宮の波動輸送の取材記事は多く掲載しているので、参考記事からその仕組みをご覧いただきたい。もし、伊勢市内の神社を数か所回るのであれば伊勢市駅構内にある三重交通の出札窓口で「伊勢鳥羽みちくさきっぷ」を購入しておくことをお勧めする。
■運賃が高いので…
伊勢市駅や外宮から内宮までバスに乗車するとその運賃はなんと470円。往復で940円。もう1か所寄るとあっという間に1000円を超える。伊勢鳥羽みちくさきっぷは、いわゆる1日乗車券で乗り放題1200円だ。有効範囲は広く、2日用は1800円で販売している。使用日を削るスクラッチタイプで、デジタル券もある。
二見浦や外宮・内宮・猿田彦神社あたりを巡るのであれば、IC乗車券で払っていたらチャージがすぐに切れてしまうので、面倒でも購入して乗り放題にしておくことを強くお勧めする。
■本来の形の御朱印?
神宮の御朱印は朱印と日付だけの非常にシンプルなものだ。本来、御朱印とは納経や祝詞奉納に対しての受け取り証明書だったのが、参拝の証として授与するものに変化したものだといわれている。その名の通り「朱印」が重要なのであって、神社名や「奉拝」「参拝」等の字句はなかったものと推測される。
その意味では内宮や外宮の御朱印は本来の形式を今にとどめていると言っても差し支えないだろう。お守りは数種類あるが、守祓(まもりはらい)という小さな神札がある。これはいわばお守りの中身だけだ。自分で好きなお守り袋に入れて肌身につけるというお守りである。
例えば外宮から参拝して通常のお守りを授与してもらい、内宮で守祓を授与してもらい外宮のお守り袋に一緒に入れても構わないということだった。お守り袋は自分で作ってもいいし、凝った作りの袋だけを販売しているショップもある。神宮を構成するいくつかの神社では守祓を授与してもらうことができる。よってかなりの数になるのだが、これは合理的なお守りのつくりである。
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