今回のバスで行くパワースポットは神奈川県秦野市の曾屋神社(そやじんじゃ)だ。鉄道駅から路線バス1本で行ける水の神様をお祀りする神社である。そのパワーと魅力をお伝えする。本稿には3月のバス占いも付録するので、合わせてお楽しみいただきたい。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■水の女神さまをお祀りする神社
この付近は明治時代に近代水道が整備された日本で3番目の地である。境内の湧水をもとに近代的な水道が整備された。もともとから湧水の豊富な水源地とされており、それゆえに水の神様である水波能売命(ミズハノメノミコト)を主催神としてお祀りする。
歴史のある古い神社だが、創建はおよそ1190年前。時代は天長年間といわれ、西暦でいうと824年から834年までの10年間である。もちろん平安時代の話だ。秦野市の「おいしい秦野の水~丹沢の雫~」は名水百選選抜総選挙おいしさが素晴しい名水部門で全国1位に輝いている。もしかすると水波能売命の御神徳かもしれない。
■秦野駅から神奈中バス
曽屋神社へはまず小田急の秦野駅に向かう。新宿からだと快速急行でおよそ1時間、停車する特急でも所要時間はあまり変わらない。秦野駅から神奈中バスが出ているので、宮前バス停まで乗車する。
秦野駅北口の2番のりばから、秦51系統または秦52系統で10分程度の乗車である。バスを下車すると進行方向右手に曽屋神社がある。バス停から境内まで徒歩5分とかからない。バスの運賃は210円で後ろ乗り、前降りの後払いなので、東京23区内のような均一運賃制に慣れている方はご注意を。
■水神をお祀りする神社には…
水神様をお祀りする神社なので、やはりお目当ては「御神水」だろう。曾屋神社の成り立ちから考えると湧水があり、それが御神水になっているはずだ。御神水が現在のような形で供給されたのは実は平成16年のことである。
もちろん、平安時代から湧水はあり、それをもとに明治23年に近代水道が整備されたのは事実だ。秦野市の説明によると、丹沢山地と大磯(渋沢)丘陵に囲まれた秦野盆地は、神奈川県で唯一の盆地であり、その地下構造は地下水を貯めておく「天然の水がめ(地下水盆)」となっていて、この天然の水がめには約7億5千万トンの地下水が蓄えられており、この豊富な地下水が市内のいたるところで湧き出ているそうだ。
ところが、時代が下り昭和40年代になり高度経済成長期に入ると、現代的な上水道が整備され、それにともない使われなくなった湧水により境内が湿地化する問題が浮上し、湧水口は埋められてしまった。
しかし平成の御代になると、長い歴史に支えられた御神水を復活しようという機運が高まり、埋められた湧水口を発見し御神水が復活したのが平成16年のこと。
現在では復活した湧水は旧社名にちなみ「井之明神水」として一般に開放されている。湧水口を含めて古い水路の遺構は残っている。井之名神水は定期的な水質検査を受けており、水温は年間を通じて摂氏17度前後で一定しているとのことだ。
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