世情が不安定だと何かにすがりたくなるのは古今東西変わらない。パワーを必要とする皆様のために、バスで行くパワースポットをバスマガジンWEBのオリジナル連載で紹介する。今月は自宅をパワスポにしてしまう。本稿には1月のバス占いも付録するので、パワスポ探しの参考にしていただきたい。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■鉄道の方が便利なのでバスには乗らない…
令和7乙巳(きのとみ)年(2025年)一発目のパワスポ記事では、ほぼバスには乗車しない。新しい年に純粋にパワーを届けたいとの趣旨なのでたまにはお許しいただきたい。さて、今月の行先は京都の伏見稲荷大社である。インバウンドの外国人に限らず、京都の観光地としては有数のスポットである。
同時に、交通至便でもありJR奈良線で稲荷駅まで行けば参道前で、京阪電車で伏見稲荷駅下車でも大した距離を歩くわけでもない。よってバスに乗って行く方が面倒ではある。
伏見稲荷大社に行く前日まで、松阪市に宿泊して伊勢市の神宮に参拝していたので、近鉄特急で京都の向かった。そしてJRに乗り換えて稲荷駅で下車。ものすごい人である。平日なので、ほとんどが外国人だ。
拝殿もそうだが、千本鳥居のフォトジェニックな風景を押さえるための観光客だろう。それでも御朱印授与所には御朱印帳を抱えた外国人の姿も見られたことから、日本文化に傾倒している外国人がいないというわけでもなさそうだ。
■稲荷勧請とは?
伏見稲荷大社に参拝に来た理由は、「稲荷勧請」をするためだ。昔は神宮でも八幡宮でも、希望者には勧請、つまり御神体を授与して新しい神社を建立することは盛んに行われてきた歴史がある。特に現在の東京が江戸と呼ばれた時代には江戸の三大名物といえば「伊勢屋稲荷に犬のクソ」と言われたほど稲荷神社が多かったようだ。
現在でも路地裏や商店街、老舗商人や旧藩邸跡地等には小さな祠の稲荷社が多い。これらは伏見稲荷大社や王子稲荷神社、笠間稲荷神社等から勧請、つまり神様を分けてもらったものだ。日本の神様はろうそくの火のように分けたとしても、どとらも元の火と同じで、無制限に分霊できることになっている。
現在では数多い神社の系統の中で伏見稲荷大社は神社に限らず一般の人にも分霊してくれる数少ない神社だ。工場やビルの上にある神社のほとんどが稲荷社なのはこのためだ。必ずしも邸内に社を建てる必要はなく神棚のお社でも構わない。ただし御神体は神札ではなく、箱に鎮まっているので専用の神棚が必要だ。
■神具店でお社を求める
稲荷勧請をすると神札のように毎年新しいものにするのではなく、子々孫々代々お祀りするいわば自宅が神社と同じになる感覚だ。よって自宅がパワースポットになるということになる。前述の通り、神札用の神棚では御神体は入らないので、境内に数多くある神具店で設置場所の奥行や高さを伝えて最適な大きさのお社と神具を見繕ってもらう。
なお、御神体には9種類の大きさがあるが、記者は場所の関係から最も小さい「小式」にした。後々、御神徳に感謝して大きな御神体にすることを「御位上げ」といい、伏見稲荷大社でいつでも受け付けてくれる。
神具店で入手した、まだ空のお社だけを持って社務所に行き、神璽勧請をしたい旨を伝えると9種類の大きさの中から選んで、申込書に神様が鎮まる場所(通常は住所)や氏名等の情報を書き込み、身分証明書を添えて確認してもらう。伏見稲荷大社でどこの誰に勧請したのかを記録するためだろう。初穂料を納めると、伝票と勧請証書が交付されるので、この際に空のお社を預ける。
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