1969年にトヨタの小型トラック、ダイナがフルモデルチェンジするタイミングで、兄弟車ともいえるキャブオーバーバスであるライトバスもフルモデルチェンジされた。こうして誕生したのが今回取り上げる「コースター」だ!!
●車両データ:トヨタ コースター RU18
(記事の内容は、2023年1月現在のものです)
執筆/バスマガジン編集部 カタログ提供/難波 有
※2023年1月発売《バスマガジンvol.117》『懐かしバスのお宝カタログ』より
■カタログの表紙には“本格派ライトバス”と記されているが……
これまでダイナと共通だったフレームを一新して、新設されたバス専用フレームを擁し、ダイナシリーズの一モデルとしての地位から独立して誕生したのがコースターだ。
さらにホイールベースは270mm延長され、先代のライトバスよりも全長(6080mm)・全幅(1950mm)とも拡大され、バスとしての乗り心地が向上した。
標準仕様車の乗車定員は26名で、先代のライトバスより1名多くなった。エンジンは93psを発生する2リッターガソリンの5R型と、70psを発生する2.5リッターディーゼルJ型の2種をラインナップ。自家用、団体旅行、送迎などマイクロバスとしてのマルチぶりは、言うまでもなく大人気を博した。
車両価格は当時のニュースリリースを参照するとガソリンエンジン車は69〜93.5万円、ディーゼルエンジン車は76〜100.5万円だ。
カタログでは表紙以外に人物の登場シーンは無く、詳細な写真構成で淡々と車両を見せている。
外観はこの当時のマイクロバスとしてはスクエアなボディラインながら、角の落ちたシェイプで、名車・コロナに似たヘッドライト&フロントグリルに、日本初のスペシャルティカー・セリカのような両サイドが持ち上がったバンパーなど、1970年代のトヨタ乗用車のイメージを強く感じる。
カタログで紹介しているグレードは、標準型とデラックス仕様、そして幼児用が紹介されている。
中でもデラックス仕様には最上級グレードとしてデラックス仕様クーラー付きもラインナップ。快適な車内とドリンクなどを冷やすクーラーボックスも装備していることをアピールしている。
幼児用(幼児送迎用)では、乗降ステップの各段を多く設定することで段差を小さくし、身体の小さい幼児に対応した造りになっている。
また、サイドウインドーはほかのグレードが横引きタイプなのに対し、上下分割タイプで上部しか開かないようにすることで、幼児の転落を防ぐ設定にするなど、大きな違いを解説している。
2代目が登場する1982年までの13年間、この初代コースターはビッグセールスを維持した名車として、足跡を残した。
【画像ギャラリー】バス専用のフレームが用意されライトバスとは一線を画す存在となったトヨタ コースターのお宝カタログ(6枚)画像ギャラリー
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