新幹線の「新○○」な駅と、○○の部分の元になったオリジナルの駅。お互い名前こそ似ていても距離が離れているところは割とあり、両駅を移動する際に何かシャトル便的な交通機関が用意されていると便利に思えるが、実際のところどうなっているのだろう。今回は静岡県の新富士駅と富士駅の間をリサーチ。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、新富士駅/富士駅をとりまく公共交通事情の写真があります)
■後からできた新幹線の駅
新富士駅は、東京から146.2kmの地点の静岡県富士市にある、JR東海道新幹線の専用駅だ。新幹線が開業した当初から存在した駅ではなく、駅所在地周辺の設置運動によって、20年以上経った1988年3月にオープンした。
新富士駅の建設が決まった際、「富士駅」や「新幹線富士駅」と仮に呼ばれていた時期があり、最終的には新幹線の富士駅ということで「新富士駅」と命名された。
一方、新富士駅の元になった名称を持つ「富士駅」は、当初は東海道本線の停車場として1909年4月に開業。
駅新設への熱心な誘致を経て、東海道本線の国府津(現在の御殿場線回り)/沼津〜静岡間が延伸開通して20年ほど経ってから作られたという点では、実現までの流れが新富士駅とよく似ている。
「富士」の名称は、富士山や富士川に近い場所にある特徴を汲んで、当時の鉄道院が富士駅と名付けたところが由来と言われる。
ちなみに、北海道の釧路市にも「新富士駅」を名乗るJR根室本線の駅がある。1923年開業のため、こちらの方が新幹線の新富士駅よりも先ということになる。
北海道の新富士駅は、駅の近くに富士製紙(現在の日本製紙)の工場があり、その社名から取られることになったが、既に静岡県に富士駅が存在しており、既得権の関係から頭に新を付けた経緯を持つ。
同じJR系の路線で、漢字表記も読みも全く同じ「新○○駅」の組み合わせは、どうやら新富士しかないようで結構珍しい。
なお切符を作ると、静岡県の新富士駅は「(東)新富士」、北海道のほうは「(根)新富士」と券面に印字され、区別はつくようになっている。
■微妙〜に離れてます
さて、新幹線の新富士駅は、在来線の富士駅とは少し離れた場所に建っており、しかも新幹線/在来線が完全に分離している区間の中に駅が作られたため、両駅間を電車で直接アクセスできないのが立地上の特徴と言える。
両駅の間は直線距離で約1.5km、実距離およそ1.8km。これは、それぞれ離れた場所にある新幹線の新○○駅 vs. 駅名の元になった在来線駅の中では、日本で最も“近くにいる”間柄らしい。
とはいえ、ゆっくり目に歩いて25分くらいと、それほど遠いわけではないが、そんなに近くもない、何か公共の足でもあれば便利だなと感じる距離感に思える。
■路線バス、ありました
新富士駅〜富士駅をダイレクトに繋いでくれる公共交通間があるとすれば、タクシー以外で考えられるのは路線バスくらいだ。
果たしてイメージ通りのバスが出ているのか、現地で様子を見に行きつつ探ってみると、ニーズに応えるかのような路線バスがしっかり運行していた。
バス会社の異なる路線系統がいくつかあるようで、代表的なものをまとめると、2026年1月現在では以下のバスが利用可能となっていた。
(1)石川タクシー富士「モーニングシャトル」 7分 200円 ※新富士→富士のみ
(2)石川タクシー富士「しおかぜ」 7分 200円 ※循環バスのため方向注意
(3)石川タクシー富士「みなバス」 39分 200円
(4)富士急静岡バス「ゆりかご線」 7分 190円
(5)富士急静岡バス「ぐるっとふじ」 8〜10分 190円 ※新富士→富士は右回り、富士→新富士は左回り
(3)の「みなバス」は市内を小まめに回る経路で、所要時間が結構かかるため事前の確認が重要。それ以外は7〜10分ほどで新富士駅〜富士駅間を直通してくれる。







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