バスツアーにも様々な方向性がある中、廃線になった地方私鉄をメインテーマに据えた日帰りツアー「電鉄探訪」が、2026年7月11日に新潟県で催行された。なんともユニークな企画内容に膝を乗り出しつつ、当日のツアーにちょっとお邪魔してきたので、その様子をレポートしよう。
文・写真:中山修一
取材協力:新潟交通株式会社
(バスマガジンWeb/ベストカーWeb内本文上とギャラリーに、電鉄探訪ツアー当日の写真があります)
■新潟交通による新しい電車線企画
2026年7月11日催行の「電鉄探訪」は、新潟県新潟市の白山前駅〜燕市の燕駅間およそ36.1kmを結んでいた地方私鉄「新潟交通電車線」がメインテーマのバスツアー。
新潟交通電車線は全線が廃止された1999年から既に四半世紀以上が経ち、遠い昔の鉄道となって久しいながらも高い人気を保ち続けており、今も新潟県内のみならず全国から注目を集める、廃線系の中でも特に華を持つ存在だ。
同ツアーは新潟交通旅行部「くれよん」主催によるもので、新潟交通が廃止以降の新潟交通電車線に関連した、自社発の企画を手がけるのは今回が初めてだそうだ。
ツアーを企画された同社旅行部の樋浦氏によれば、現在に至るまで車両や遺構など電車線の面影を残し続けて下さったファンや行政ほか皆様に、新潟交通から長年の御礼を兼ねて何かできないかを検討……
……また新潟交通電車線の保存活動を行なっている「かぼちゃ電車保存会」では、電車線は既に移動手段としての役割を終えた存在ながらも、残された遺構や車両を観光など別の目的で、現役続行できるような構想を重ねていた。
そんな新潟交通旅行部の提案と、かぼちゃ電車保存会のアイデアが結びつき、コラボツアーの形で今回の「電鉄探訪」の案が立ち上がり、新潟交通旅行部、乗合バス部、新潟交通観光バス、万代シルバーホテルとグループ各所が協力、保存会とタッグを組んだ超連携企画となって実現に至った。
■バスが電車を演じます
バスツアーといえば、観光バスタイプのハイデッカー車で移動するのが一般的。その一方で「電鉄探訪」ツアーには、普通の路線バス車両を使って新潟交通電車線の足跡を再現してみよう、といった仕掛けが組み込んである。
日頃の足として活躍した電車線の電車の居住性をイメージすると、一般路線バス向けのバス車両が最も近い性質を持つと考えられるが、このツアーで使われる車はズバリ一般路線バス車両。
しかも電車線で使用されていた電車と同じ、濃いめの黄色と深緑の2色に塗り分けられた、一般路線で普段使われている大型路線車の「かぼちゃ電車バスII」を、移動の主役に起用している。
ツアー中に表示されるLED行先表示も、電車線の方向幕をイメージした特別データを用意。側面表示器の文言に「電車です」と明記されていたように、この日だけは路線バス車両が電車になりきって走る、大変凝った演出が見られた。
■電車好きから元・中の人まで幅広い層が参加!
移動に路線車を用いるところから通常のバスツアーとは趣が全く異なり、一般的な観光スポットへの立ち寄りはあえて最小限。鉄道要素を中心に取り入れてあるにせよ現役の鉄道はそれほど出てこない等々……
……かなり特殊なコンセプトから、参加を希望される方が集まるかどうか不安な一幕も主催側にあったそうだが、当日は定員間近の20名ほどがツアーに参加した。
詳しくはないものの電車が好きな向きから、新潟交通ファン、廃線研究家、バスファン、現役時代の様子を思い出しながら当時を懐かしみたい方、新潟交通電車線の運行に携わっていた伝説級の方まで、性別・年齢問わず顔ぶれは多彩。
さらに、新潟県内/県外からの参加はほぼ半々といったところで、新潟交通電車線が保ち続ける全国的な人気の高さを窺い知れた。








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