ハンガリーと聞いて思い浮かべるもの、といえば色々あるが、私たち日本人にとって馴染み深いものと言えばなんといっても「温泉」。ならばせっかくなので、バスで出かけてみた!!
文・写真:橋爪智之
構成:中山修一
■ハンガリーの気軽なリゾート地
ハンガリーの国内には、首都ブダペストを筆頭に、いくつもの温泉があり、気軽に訪れることができるリゾートとして親しまれている。
もっとも、私たちが思い浮かべる入浴とは少し異なり、こちらでは湯治として親しまれており、療養として訪れる人も多い。
水温も、泉源の場所によって違いはあるが、1年を通して25~35度に保たれており、温水プールに近く、もちろん水着を着用して入る。実際、夏場は湖水浴として、家族連れで訪れる人も多い。
■温泉湖を目指す旅
そのハンガリーの温泉の一つ、ハンガリー西部に位置するヘーヴィーズは、広くヨーロッパじゅうに知れ渡る有名温泉地で、1年を通して訪問客が多い。
ただ、首都ブダペストからは直通で向かう交通機関はなく、近隣の主要都市である、バラトン湖畔最西端の町ケストヘイまで行き、そこからローカルバスに乗って約10分だ。ブダペストからケストヘイまでは、鉄道やバスで概ね3時間掛かる。
朝、ブダペストを出発して、のんびりとローカル線に揺られ、昼頃にケストヘイに到着。駅前に小さなバスターミナルがあり、ヘーヴィーズへはここから路線バスに乗る。
列車が遅れてしまったため、乗ろうと思っていたバスに間に合わなかったので、駅前の食堂でお昼を食べて待つ。ヘーヴィーズへの路線バスは、1時間に数本は出ているので、慌てることはない。
バスターミナルへ出入りするバスを観察すると、見たことがないメーカーのバスから、ヨーロッパで日常的に見掛けるメルセデスまで、色々な車両が発着していて面白い。
基本的には、この周辺地域で運行されている路線バスが多いようだが、他都市からの長距離路線もたまに見かける。
次のヘーヴィーズ行きは、ボルボ製のバスだった。オーストリア国境に近いショプロン始発の路線で、ハイバックシートの車両が使われている。
ショプロンだと、単純な直線距離でも100キロ以上あるので、中距離路線の最後の末端区間だけ利用する感じだ。
ケストヘイの市街地を抜けると、片側1車線の幹線道路へ出て、田舎道を軽快に進んで行く。10分も進むと、周辺の風景には不釣り合いな、近代的なリゾートマンションかホテルのようなものが見えてきた。町の入口手前で、すでにリゾート感が滲み出ている。
■観光地らしいヘーヴィーズの町
ヘーヴィーズのバスターミナルは、改築されたばかりなのか非常に近代的だ。屋根の付いたホームにはいくつも乗り場があり、待合室にはエアコンが付いている。ハンガリーの夏は暑く、エアコンがないと意外と辛いため、路線バスもエアコン付きが多い。
さて、温泉湖を目指そう。バスターミナルから徒歩約10分、レストランやお土産物屋など、商店が立ち並ぶにぎやかな通りを抜けた先に温泉湖の入口があった。
入湯料は3時間で大人一人4,200フォリント(約2,500円)。入ってみると、これが本当に温水プールのようなもので生暖かいが、少し硫黄の香りがするところは温泉に近い。ただ、水深は5mから37mと書いてあり、泳げない人が見たら尻込みしそうだ…。
さて、せっかくここまで来たら、ハンガリー最大の湖、バラトン湖も拝んでおきたい。こちらは温泉ではないが、夏は湖水浴に来る人も多い。
湖畔の小さな町、バラトンフェニヴェスは、駅のすぐ近くに湖水浴場が広がり、観光客も多い。駅の反対側からは、ナローゲージの軽便鉄道が走っているのも面白い。
ヘーヴィーズからバラトンフェニヴェスまでは、鉄道を利用するのが一般的だが、1日1本のバスが午後にこの町を通過していく。ならばこれを利用してみよう。




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