フジエクスプレスで臨時運転士として乗務する記者のバス運転士日誌は、さらに運行できる路線を増やすべく、新たに田町ルートの空車教習に挑んだ。そして、迎えたデビューの日。運転席からはどう見えたのかをレポートする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■不安要素
空車教習を終えたのは8月初旬だった。当月の勤務日はすでに運行する路線がすべて決まっているため、9月の勤務表には田町ルートが入っているはずだ。勤務表の入った封筒を開いてみると、9月の初出勤日に早速、田町ルートの仕業番号が入っていた。
それ自体は予想していたのでおどろきはないのだが、田町ルートは最も便数が多い大幹線路線である。概ね15分ヘッドで走る田町ルートは、田町駅から六本木ヒルズを経て田町駅に戻る循環線の扱いである。1周は概ね1時間だが、便数が多いためにバスも運転士も他の路線より多く必要なのだ。
フジエクスプレスでは、バスの遅延には一切のお咎めはなく、バスは遅れるものなので仕方がないというスタンスを取っている。記者自身は1年以上運転士を続けて遅延することには慣れたものの、田町ルートでは15分以上遅れると、次の便が定刻で走っていると追い付かれてしまうという最悪の事態になってしまうが、それだけは避けたい。
不可抗力の遅延であれば全体的なものなので気にはならないが、デビュー戦で慣れない路線なので、それだけで遅れる要素は多分にある。その場合は記者が運行する便だけが遅延するということだ。追い付かれることだけは避けたいし、営業所でバスを渡す次の運転士にも申し訳ない。
■比較的楽なダイヤ?
行路表を見てみると、車庫便で出発して1周後に回送で営業所に戻り車両引継ぎ。休憩後に引き継いだ車両を回送で田町駅に配車して1周。これを4周して、最後は回送で出庫して1周後に車庫便で戻り、引き継いで終了である。
要するに周回数で言うと6周である。他の運転士に聞くと、この仕業は他の仕業よりも1周少なく、比較的楽なダイヤだということだ。運行管理者がデビュー戦なので比較的楽なダイヤを割り当ててくれたのだろう。
とにかく、7時15分に営業所を回送幕で出庫した。しかし、車庫を出るとそこに「芝浦車庫」のバス停があるので、放送起動ボタンを押して連動している電子スタフと方向幕が変わり、いよいよスタートだ。他の路線で営業運転は1年以上しているので、旅客対応については特に不安も問題もない。
■別に快速ではないけれども…
車庫発着の便については、「藻塩橋」停留所だけは停車しない。これは別に「快速」種別だからというわけではなく、六本木ヒルズの往復で同じ道を通り停車するからだと思われる。需要がないわけではないのだろうが、同じバス停を2度停車するとややこしいという事情もあるのだろう。
いずれにせよ、田町ルートの車庫発着便だけの特例なので、これまで運行してきた路線の通りに止まってはならない。とはいえ、電子スタフにも放送にも、車内モニターにも藻塩橋バス停を飛ばした次のバス停が案内されているので、間違えることはない。
車庫発着便は駅までたった3停留所だが、通勤需要が多いのか結構な乗車がある。田町駅東口に到着して、そのまま六本木ヒルズ方面行きとして通し運行するので、乗客の大半が入れ替わる。



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