■慣れた路線をいよいよ外れ往路を走る
田町駅東口から三田線三田駅までは芝ルートと同じルートなので、バスが小型車から中型車に変わったくらいで特に違和感はない。三田線三田駅を出るといよいよ左に曲がって田町ルート単独区間に入る。最初の注意点である歩道ギリギリに設置されたガードを内輪差でぶつけないように注意して曲がる。
芝五丁目を出るとまた曲がって一方通行の狭く歩行者が無秩序に歩く、なかなかスリリングな区間だ。ここはもう遅延などを気にしている場合ではないので、歩行者や自転車の飛び出しに注意をして大通りに出る。
ここからは右左折せずに同じ道路上に5停留所ある。病院あり、都営バスとの共用停留所あり、ビジネス街としてのビルあり、地下鉄駅接続あり、と乗降のない停留所は存在しないほど忙しい。まさに各停状態だ。
そうして麻布十番駅前に曲がる交差点がくせ者で、曲がった先が渋滞していてバス停に着けない、タクシーが割り込んでくる、タクシーがバス停で乗降をしている、バス停を出ようとしたらアルファードが連なって右車線から強引に突っ込んでくるという恐怖のバス停だ。
さらに六本木の方向に曲がると素直には走れない渋滞箇所に2停留所がある。六本木ヒルズが見えてきて曲がると六本木けやき坂。坂の途中に停留所があり、AT車なので平面と何ら変わらないし、バスのトルクはデカいので坂道であってもクリープ減少で前進するほどだが、通常よりも意識してサイドブレーキを掛けたのを確認する。
最後は六本木ヒルズの中に入ってロータリーを回り六本木ヒルズ停留所に到着する。田町ルートにおける六本木ヒルズ停留所はあくまでも通過停留所なので、実質的には折り返しだが路線としては田町駅まで通しで循環路線として運転される。よって乗客はさらに先へと乗り通すことができる。ここまでの遅延時分は数分だったが、六本木ヒルズでの余裕時分があるので、ほぼ定刻で出発して復路に入る。
■復路は微妙に往路とは異なるルート
六本木ヒルズを溜池方面の出口を出て、六本木駅前に向かう。往路と復路はまったく同じ経路ではないので、バス停によっては六本木ヒルズ方向のみ、あるいは田町駅方向のみにしかないバス停もある。六本木駅前周辺は車も人も多い。
規模の大きい商業地帯なので、人が集まればタクシーも集まり、商業地であれば物流トラックも集まる。こうした状態の中で路線バスを運行するのは大変ではあるけれども楽しいのもまた事実だ。
六本木なんて地下鉄か都営バスで行って、地上平面からしか街を見ることはない。そこにあるのは人の頭と車の列だけだ。しかし、バスの運転席から見る六本木の風景はまた一味違う。信号待ちで、横断歩道を渡る無数の人々を観察したり、無理なところで手を挙げてタクシーを止める歩行者とタクシーの止め方を上から見たりと、カオスな街ならではの街の動きがそこにはある。
目の前に東京タワーが見えるとすぐに右折して細い道に入る。2停留所を通り、鳥居坂を下る。この急坂がまたくせ者でAT車のギアを2速にまで落としてエンジンブレーキで下る。車両によっては空気バネを利用して車高を上げないと車体下を地面にこすってしまうほどの坂なのだ。
鳥居坂を下ると往路と同じ道路に戻るが、停留所は異なる変則的な箇所だ。すぐに往路と同じ道を外れ、別のルートを通ってまた戻るということを繰り返しながら、三田線三田駅前に到着して田町駅東口に至る。


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