サロンでは初対面でもすぐに楽しいトークが始まる
さてバスは山形県を貫く形で進み、宮城県に入る。1階に用意されたサロンでは移り行く景色を眺める傍ら、乗り合わせた乗客同士が楽しい会話に花が咲かせる。“このバスは外車、スウェーデン製の車両ボルボ製だよ”なんて説明をすると驚きの顔を見せてくれる。ちょっとしたご縁で乗り合わせた人々との会話も弾んだ楽しい車内だった。
そして現在はこ庄内地方からはるか遠くへ行く東京便よりも、また県庁所在地の山形便よりも、この仙台便はドル箱路線となった。より多くの乗客に愛される路線になったが、運行開始から10年過ぎれば次なる車両へ代替え。残念なことに全国どこでも見られるような車両のラインナップとなってしまった。
3社ともスーパーでないハイデッカーという、画一的な車両構成で、ほぼ全線高速道を走行することになり、より早く快適にはなったが車窓も変化してきた。実用性のある形となり、効率性も大きく向上したが、乗って楽しい長距離バス、というのはもはや思い出になってしまった。