すでに運行終了となった高速バスに乗車したときの、乗りバスレポートを紹介するバスマガジン人気のコーナー。今回は福岡と高知を結んでいたはりまや号だ。
高知県は首都圏在住者にとって、四国4県でも最も奥地で遠い印象がつきまとう。しかし1988年の瀬戸大橋開通で、その道のりも所用時間も、そしてなによりイメージ的な距離感がとても短くなった。そしてこのはりまや号はわずか3年の運行ではあったが、とさでん交通ファンには貴重な記録にもなった。
●車両・乗車データ
福岡〜高知「はりまや号」(とさでん交通/西日本鉄道)
2015年12月乗車(一部撮影を除く)
●運行データ
[西鉄天神高速バスターミナルの発車時刻]
21:30 高松行・さぬきエクスプレス福岡号/四国高速バス
21:35 松山行・道後エクスプレスふくおか号/伊予鉄バスほか
21:50 高知行・はりまや号/とさでん交通
執筆・写真■石川正臣
バスマガジンvol.101(2020年5月発売)より
【画像ギャラリー】惜しまれながら引退した「はりまや号」の勇姿
本四連絡橋の開通はバスにもその恩恵をもたらしてくれた!!
高知発の長距離路線バスは、四国内だけでなく中国、関西、関東へと広がり1993年にはなんと九州福岡へと運行を開始した。高知からの長距離路線の運行は、常に土佐電気鉄道と高知県交通の2社で、このはりまや号は西日本鉄道(西鉄)が相手となって3社で運行開始された。
その後1999年に西鉄が撤退、2014年に2社が統合となり、とさでん交通が設立1社で運行ということになった。
それに伴って車両も新デザインとなり、あっという間に新塗色車両が導入された。25年近く運行されていた中で、とさでん交通での運行はわずか3年。わずかではあるが貴重な記録ともなった。
その後四国からの福岡便は、高松から四国高速バスさぬきエクスプレス福岡号、松山から現在の伊予鉄バス道後エクスプレスふくおか号がそれぞれ西鉄グループと共に運行を開始した。本四連絡橋の成果がバスにも貢献している証となった。
西鉄天神高速バスターミナルでは四国方面高松行き、そして松山行きが発車していくと続いてお目当て高知行きが着車する。
博多バスターミナルで乗車後、すぐに高速に入り、北九州で乗車完了すればほぼ満席。壇ノ浦で消灯前の休憩。ここでは松山行き、高松行きと四国勢が肩を並べる。