路線延長の効果アリ!! 途中の客扱いも頻繁に行われた
生駒で1人、学園前で2人と乗車してくるので路線延長は無駄ではなかったようだ。駅前に並ぶ路線バスより目線がかなり高く、スーパーハイデッカーらしい視界が誇らしい。近鉄奈良駅に到着すると立派なターミナルで活気づいている。
ここでの乗車は相変わらず多い。そして天理、夜も更けてきて駅前の広いロータリーも静かだ。近鉄電車がこちらに向かって停車しているかたわら、待っていた乗車客を乗せて出発するや車内挨拶、車内放送などの後、高速道路へ入った。
外が明るくなってきたのは首都高速で東京都内を抜け出すころだった。高速を降りて埼玉県入りし、川口から数か所停車してほぼ定刻に終着大宮駅に到着した。
当時とはすっかり変わった埼玉。今では未来都市の様相
大宮便は生駒始発でしばらく運行してきたが、横浜や千葉に比べてその存在感は薄かった。晩年大阪までの延長もしたが、福岡便に続いて運行を中止した。千葉便は後に延長した学研都市田辺発をとりやめ、奈良発に戻った。
続いて横浜便も運行中止となったが、このとき千葉便が五位堂始発の延長で横浜経由となり、事実上の統合で首都圏へは大宮便のみが運行されなくなった。そして今回の紹介路線は全線廃止となった。
大宮は政令指定都市・さいたま市となり、埼玉スタジアムができ、さいたま新都心もビル群の建設が続き成長している。夜行高速バスも成長を遂げて、東北への国際興業と西日本への西武バスや、観光バス専業だった新規事業者も数多くの路線を運行しているが、このやまと号が夜行高速運行第1号路線だったことはしっかりと記憶に残したいものだ。
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