■俯瞰撮影まで用意してくれる周到さ!
そして最後は乗用車のミーティングなどで見かける、各車が扇形に顔を寄せて集まる形にバスを移動させての撮影会となった。これも伊豆箱根バスの好意により、このあと帰りに三島駅まで乗車する富士重スペースアローをこのバスの前に横向きに停車させ、それぞれがバスに乗り込み少し高い視点からバスの撮影を行う演出があった。
トップ画像がそれだが、ハイデッカー車の窓位置を生かして少し高い位置からの俯瞰風の写真を撮影できたのは伊豆箱根バスの担当者も相当のマニアでわかっているからこその演出であろう。富士重スペースアローは窓を開けることができるので、うまくバスの並びの中央に来るポイントを探しての撮影となった。
長いと思っていた撮影会も気がつけばあっという間。予定では16時までとなっていたので、正味2時間半の撮影ができたのだが、その時間すらも少しオーバーして16時20分すぎまで余すところなくデジタルデータに収めることができた。車内で最後の挨拶があったあと、バスは最後の目的地である三島駅北口に到着した。
■確実にお値段以上のツアーだった!
以上が伊豆箱根バスによる「富士重スペースアローで行く!伊豆箱根バスキュービックお別れ会」のレポートだ。冒頭にも述べたが毎日毎日、雨の日も風の日も決まった時刻に走る路線バス。
それ故に車両の入れ替わりも多く、乗用車ほど短くはないが、私たちが思っているよりもそれほど寿命は長くない。数ある名車と呼ばれるバスの中でもキュービックだからこそ開催されたお別れ会であり、きっとバスにとってもいい思い出になったことだろう。
車両の都合上、車内に入ることは叶わなかったが綺麗な車体を見ることができて、そして自らのカメラで記録することができて価値あるツアーだった。さらに今回のツアーを企画した伊豆箱根バスや担当者の思い全部が詰まったツアーに参加できて、サプライズの西工車も見ることができてお値段以上のツアーであることは間違いなかった。
参加者にはツアーの記念として、205号車を写したポストカード4枚組が配布された。日付とツアー名称入りのカードは担当者が撮影したものをポストカードにしたという、まさにお手製で、本ツアー限りの貴重なアイテムになった。またツアーの趣旨に賛同して、車両とスタッフを派遣した東海バスにも敬意を表したい。
このようなお別れ会撮影ツアーはハッキリ言ってマニア向けであるが、どこの事業者でもどの車両でも行われるわけではない。お気に入りの車両であってもなくても、もし機会があれば最後の挨拶と感謝を伝えに会いに行ってみてはいかがだろうか。ちなみに本ツアーは募集開始後42席が6時間で完売した。筆者は慌てて申し込みギリギリセーフだったことを付記しておく。
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