伊豆箱根バスのキュービックお別れツアーに予定外のモノがサプライズ登場……マジか!?

■予定通りの撮影会開始!

いすゞキュービックが並ぶ
いすゞキュービックが並ぶ

 小田原駅から走ること約1時間で目的地である伊豆箱根バス三島営業所に到着した。会場である駐車場には今日のメインであるバスたちが勢揃いしており、下車したツアーの参加者は早速撮影モードに入っていった。ここまで乗車した富士重スペースアローの隣がお別れ会の主役である伊豆箱根バス「伊豆200 か205」である。

 プロフィールを紹介すると、1995年式のいすゞキュービックKC-LV380N。西武バスに納車され、埼玉県内の路線バスとして活躍した。その後は伊豆箱根バスへ転属。ツーステップ車で、アイドリングストップ装置を搭載している。

 近年では熱海地区を走行しておりV8エンジンを生かして坂道を駆け巡っていたようだが、先日エンジン不調に陥ったが直らず、そのまま廃車ということになったとのこと。

 そしてお別れ会の開催ということで、同系統のバスが集合した。同じキュービックの社番2450(伊豆200か206)、同2432(湘南200か1481)、今年6月に廃車となった日産ディーゼルU-UA440LSNの同2762(伊豆200か134)が集まった。

■東海バスもサービス満点!

東海バスの担当者も臨場!
東海バスの担当者も臨場!

 また特別ゲストとして、東海バスのオレンジシャトル車番878号車(沼津230あ878)も参加した。こちらは、いすゞキュービックKC-LV380L、1999年式のトップドア車である。現在は沼津営業所に所属し、東海バスの中で唯一の存在になっているそうだ。

 まず最初は伊豆箱根バスの担当者から撮影について説明があり、その後に様々な並びや組み合わせ、向きを変えての撮影会がスタートした。基本的にはまず参加者全体が駐車場敷地の一番端まで離れての撮影を数分、それからバスまで5~7mのところまで近寄ってまた数分、それからはより近くに寄って撮影・・・という秩序だった流れだ。

東海バスの作り込まれたLED表示
東海バスの作り込まれたLED表示

 到着した頃は青空も見え、気温が高く暑い時間帯ではあったが参加者はそれぞれお気に入りの角度でたくさんシャッターを切っていた。遠く向こうには富士山も見えるいいロケーションでカメラにたくさん思い出を刻めたことだと思う。

 ちなみに今回特別ゲストとしてやってきた東海バスオレンジシャトルのキュービックは前面のLED表示に「2023.09.03 ありがとう205号車」とツアーを記念する表示を出したり、フロントガラスに「伊豆箱根バス205号車引退お別れツアー様」という掲示をしたりと、心憎い演出をしていたのが印象的だった。側面の行き先表示は「キュービックお別れ会」とし、大平車庫→大場車庫と表示されていた。

■サプライズで西工が登場!

西工キター!
西工キター!

 さらにここで一同大歓声の嬉しいサプライズが。なんと伊豆箱根バスの好意により、敷地内に置かれていたバスの中から日産ディーゼルのKL-RA552RBN(湘南200か・587)が撮影会にとさっそうと登場したのだ。ボディはかつて西鉄の子会社で事業者が唯一バスボディを製造していた西日本車体工業、いわゆる西工である。

 筆者は撮影会場の方を見ていたので気がつかなかったが、敷地奥からバスが走ってくるのを見つけた参加者が一斉に構内道路(私有地)の方へ向かって走り出したので、すぐにバスの移動に気がつくことができた。

 富士重スペースアローの横に停車し、こちらも撮影会が始まった。現在では西日本以外では見る機会が減ってきている車両なので、筆者もあちこちから撮影をしたのは言うまでもない。

8月に車検切れになった西工車
8月に車検切れになった西工車

 富士重工もキュービックもマニアとしては最高の撮影対象だが、西工となると若干話は変わってくる。すでに西日本車体工業は解散して存在しない。つまり、今後は新車として世の中に出てくることが二度とないボディーなのである。

 東京都内では都営バスや関東バス等で路線車はまだ乗ることができるが、貸切車や高速車となるともはや風前の灯火である。

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