はかた号こそ本物の「キングオブ深夜バス」だ!! 2号車が先行で走るってマジか?

はかた号こそ本物の「キングオブ深夜バス」だ!! 2号車が先行で走るってマジか?

 キングオブ深夜バスの名を天下にとどろかせた西日本鉄道(西鉄)の高速バス「はかた号」は1日1往復の運行で、およそ1000キロメートルを走破する。多客期には続行便として2号車が出ることがあるが意外にも便利だ。本稿は新宿西口を出発した翌日朝からの乗車記後編だ。

文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■2号車先行で佐波川SAへ!

佐波川SAに到着
佐波川SAに到着

 西鉄の新宿と福岡を結ぶ「はかた号」2号車に乗車して福岡へと向かう2号車レポートの後半戦は夜が明けた山陽自動車道からスタートだ。

 目が覚めたのは7時過ぎで、バスは順調に走行を続け山口県岩国市を走行していた。カーテンを開けると青空が広がった景色と、高速道路を走る自動車などを見ることができた。スマホで調べてみると次の休憩場所までは約1時間ということなので、再びゆっくりと体をシートに預けながら仮眠を続けた。

白夜行からアップデートされた金の夜行塗色
白夜行からアップデートされた金の夜行塗色

 筆者がよく利用する夜行バスだと、この時間にはもう目的地に到着して降車していることがほとんどなので、この時間まで乗車していることがむしろ新鮮だ。しばらくすると朝のアナウンスが流れてきた。

後方の独立3列シート
後方の独立3列シート

 2ヶ所目の休憩場所は山口県にある山陽自動車道佐波川サービスエリアで、8時過ぎの到着で15分ほどの休憩だ。サービスエリアとはいえ、やや小規模のタイプであることと、お盆の期間中でこの時間でも多くの車が駐車しており店内はかなり混雑していた。

新宿西口から走ってきた「はかた号」
新宿西口から走ってきた「はかた号」

 バスを撮影していたら買い物をする時間まで取れなかったので、トイレだけ済ませて戻ることにした。またNEOPASA静岡では続行で到着していた1号車の姿を見ることはできなかった。

15分後に佐波川SAに到着した1号車
15分後に佐波川SAに到着した1号車

 どこかで先行してしまったのかと思っていたが、休憩時間を終えて出発する際にちょうど駐車するところを見つけることができた。時間にして15分くらいは2号車が先行していたことになる。

■いよいよ西鉄テリトリー内へ!

女性客には特によろこばれている西鉄の「支給品」
女性客には特によろこばれている西鉄の「支給品」

 佐波川サービスエリアを出発したはかた号2号車は9時20分ごろ関門自動車道に入り関門橋を渡り終えると、いよいよ九州に上陸した。ここからは降車停留所が多くなる。北九州市内では小倉駅前、砂津、黒崎IC引野口、そして福岡市内で西鉄天神高速バスターミナル、終点の博多バスターミナルという順に停車する。

関門橋を渡って九州へ!
関門橋を渡って九州へ!

 小倉駅前には9時40分、定刻より約10分の早着だ。降車扱いが終わるとバスは動き出した。通常のバスの座席ならば降車人数の確認は容易だが、個室では外の様子が分からなかった。

小倉営業所がある砂津は降車がなく通過
小倉営業所がある砂津は降車がなく通過

 車内アナウンスでは次の砂津、黒崎IC引野口では事前の降車希望がなく、一応の確認はして通過決定となった。小倉駅前を出ると本来であれば北九州高速の黒崎ランプを一度降りて引野口に停車するのだが、通過決定のため北九州高速をそのまま八幡ICまで走り再び九州自動車道に戻り福岡ICを目指す。

小倉営業所(西鉄バス北九州)構内
小倉営業所(西鉄バス北九州)構内

 長いようにも思えた14時間という乗車時間がここまで来ると降車するのが惜しいほどにも思える。西鉄天神高速バスターミナルへはほぼ定刻の11時過ぎに、そして終点の博多バスターミナルには市内渋滞のため、約10分遅れの11時30分ごろに到着した。

次ページは : ■なぜレアなのかは天神で証明?

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。