■オイシイ山系路線
盛岡駅始点で「白樺号」の運行ルートを見ていくと、駅を出発してしばらくの間、東北新幹線とIGRいわて銀河鉄道線の線路沿いを、縫うようにして北上していく。
およそ50分進むと、いわて沼宮内駅の前に立ち寄り、ここを過ぎると右折・東寄りに方向転換して国道281号線に入り、あとは終点の久慈駅までの約74kmを、ほぼ道なりに走る。
国道281号線が岩手県内を横断するようにして敷かれているため、自ずと山深い所を中心に通っていく。バスの車窓的には山系路線といったところ。
新緑の時期に訪れると、周囲を緑に囲まれた爽やかな景色が続いて見応え十分。時に峠越えを行いつつアップダウンを繰り返す印象。乗車した際に記録していたGPS情報を後で確認したところ、最大標高742mの数値が出ていた。
100km以上の距離を走る一般路線バスということで、46.8km・77分の地点にある「道の駅くずまき高原」でトイレ休憩がある。その日ごとに微調整されるようだが、乗車当日の休憩時間は4分だった。
ちなみに、バスの路線名である平庭高原線と愛称の白樺号は、バスの経路上に「平庭高原」という場所があり、さらに同地に白樺林が群生しているところから来ている。
■手堅く使える中距離路線バス
盛岡駅を出て終点の久慈駅前までは2時間50分ほど。ハイデッカー車であるため居住性は申し分なく、一般路線バスの中でも快適な移動ができる。
運賃は盛岡駅始発で2,920円、盛岡バスセンター始発で3,000円。現在は特急の種別がなくなって無印の「白樺号」に変わり、急行料金も不要になった。
形式上は一般路線バスということで、高速バスのような予約制ではなく、普通のバスと同様、バス停に並んだ順に乗車していくカジュアルなタイプ。前乗り/前降りの運賃後払い方式で、交通系ICカードが使える。
路線開設から80年+、特急バスのデビューから50年以上を経た今も、国道281号線が岩手県内陸部と三陸エリアを繋ぐ短絡ルートであるのはそれほど変わらず、「白樺号」が盛岡〜久慈間の手堅い移動手段の座を、長きにわたってキープし続けているのは間違いない。
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