記者はバス業界を外側から取材して記事にしてきたが、フジエクスプレスに臨時運転士として入社した。バス運転士日誌として一人前になれるかどうかの連載は1か月を経過し、初の給料日を迎えた。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■路線組の賃金形態は拘束時間制プラス時給制
そもそもバイトは初任給も何もないので完全時給制だ。ちなみにフジエクスプレスの賃金体系は、高速・貸切組はハンドル時間制で、路線組は拘束時間制だ。よって臨時運転士の記者は路線組にしか入れないので拘束時間制かつ時給制の賃金体系だ。
昼休みの1時間を控除される以外は、他の細かい休憩時間を含めて拘束時間はすべて時給が発生する。規定の時間を超えた分は時間外勤務として時給が割増加算される仕組みだ。
通勤のための交通費は、記者の場合はバイク通勤なので自宅からの距離に応じて出勤日数分が会社規定の燃料費として支払われる。バイトなので社会保険料等の控除はなく、所得税だけが源泉徴収される。
複数から収入を得ている場合は、翌年に確定申告をして所得税額を確定させ源泉額が多ければ還付してもらえる。このあたりの手続きについては、記者はFPでもあるので苦労はない。
■時給なので計算はしていた!
フジエクスプレスの給与明細はWEBで閲覧する方式だが、PDFでダウンロードもできる。PDFにはパスワードが設定されていて本人にしかファイルが開けないようになっていた。
加入は任意だが、会社の互助会(親睦会)のようなものがある。月額会費が300円と少額なので、コスパを天秤にかけることはせず、従業員のための組織存続や維持のために加入することにしたので、支給額から控除されるのは所得税と親睦会費だけである。
時給は雇用契約で決まっていて、そもそも訓練期間中は概ね9時から17時までの出勤しかしていない。合計6日間の山梨県での研修に参加したのを含めて18日間の出勤しかしていない。これは出勤希望通りのシフトだったことは前の記事で述べた。
よってある程度、支給額の想定はできる。出勤日数と1日当たり、昼休み1時間を除いた少なめに見積もった7時間を掛ければ支給額は計算できるからだ。
■想定よりも多い?
ところが明細を見ると想定よりもかなり多いのだ。当初は所得税を1割源泉徴収されて、通勤交通費がいくらかは分からなかったものの、15万円から16万円くらいだろうと考えていたのだが、差し引きの支給額(いわゆる手取り額)が18万円弱だったのだ。
分析した結果、想定よりも多い要因は2つ。まず通勤交通費が記者にとっては多いのだ。燃費の良いバイク通勤だとしても、かなり高額な支給になっている。これはバイクであろうが自家用車であろうが、会社規定の燃料費として支払われているので特に優遇されたわけではない。
■いつ時間外勤務した?
そして特にタイムカード等はないのだが、午前9時から午後5時までの杓子定規な時給計算にはなっておらず、時間外勤務の割り増し賃金が付いていたが。しかし時間外勤務をした自覚はない。
これは後で聞いてみると、山梨に研修で行った際の計画実施された教育時間はすべて時給計算されるということだった。その結果、規定時間以上の細かい時間外勤務が割り増し支給となったようだ。
これら2つの要因が記者の想定外で重なり、思っていたよりも多くの支給になったようだった。もっとも、独車(自分一人で営業運転できるようになること)になれば記者の正業との兼ね合いでそれほど多く運転する予定はないので、おそらく今月が最も多い給与ということになるだろう。
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