■旅客対応に余裕が生まれる
こうした車両間隔が身に付くと、バスを運転していても軽自動車を運転していても、さほどの差がないように思えてくる。運転している車両に合わせてライン取りや停車位置を計算しているからだ。ここまでくると、旅客対応に余裕が生まれてくる。
運賃箱の操作はICカードでのまとめ払いの申告時くらいしか操作することはなく、いまだにチャージの操作すらしたことがない。多くの旅客がスマホやスマートウォッチでタッチしていくので、残高不足の際はアプリ上で自分でチャージしてしまうからだ。
定期券もデジタル化されたスマホを見せる旅客が多く、現金でもICでも大人こともの区分なく1乗車100円なので、特に特殊な操作をする必要がない。港区のコミュニティバスなので、東京都シルバーパスは使えない。しかし港区が発行する区民向けのパスを持つ高齢者や妊産婦・子育て世帯は無料で乗車できる。
記者が運行を担当する路線バスは主に港区のコミュニティバスである「ちぃばす」の芝浦港南ルートだ。コミュニティバスでは定番のポンチョではなく、中型の日野レインボーかいすゞエルガミオでの運行なので、停留所間が極端に短いことを除けば、他の社局の路線バスと変わらない。
ダイヤについては別稿で述べるが、渋滞や信号待ち、旅客集中により遅延することはあっても、ルート全体としては15分程度の遅延であれば、遅れるどころか貯金がある状態で次の運転士に引き渡せるので、その点では運転していて焦りはない。始発から終点まで1周2時間の循環路線である芝浦港南ルートにフル乗車するバスマニアはまだ見たことがないが、なかなか乗りごたえのある路線である。
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