【バス運転士不足問題】現役運転士同士で話し合ってみた! あえて「向いていない人」に言及?

【バス運転士不足問題】現役運転士同士で話し合ってみた! あえて「向いていない人」に言及?

 バス運転士不足問題について、待遇面や労働環境面について改善が必要なのは言うまでもない。バス業界では改善を求める初動が遅すぎた感は否めない。それでも改善途上であることは間違いない。本稿では記者が運転士として、あるいは他社局の現役運転士と話をする中で一致した不向きと思ったタイプにあえて言及する。待遇や労働環境には無関係の話だ。

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(写真はすべてイメージであり本文とは関係ありません)

■待遇問題は待ったなしなのだが…

バスに給油する記者
バスに給油する記者

 前提としてバス運転士の待遇は総じて低いが、危機感を持った事業者は分社化したバス子会社を再統合して賃金水準を都市部に合わせたり、賃金そのものを引き上げたりしている。これまでは口悪く言えば「代わりはいくらでもいる」的な理論で、低賃金に抑えていたがそれも限界にきているのは事実だ。

 これはかつての看護職や現在の介護職のように職に就いている方々の、天職感や義務感、または若干のボランティア精神に依存していたのと似ている。しかしそういう時代ではなくなってきた。それは経済が低迷する中で賃金がまったく追い付いていないことが顕著になって一種の社会問題として認知されてきているからだ。

運転だけではなく接客も重要な仕事の一つ
運転だけではなく接客も重要な仕事の一つ

 好景気でインフレ率を上回る賃金上昇が続いていれば、こうはなっていない。これは広く政府の経済政策の失敗と放置が要因と言わざるを得ない。運賃収入の低迷で赤字が恒常化していたこともあるが、経済のマイナス成長にかこつけて低賃金で文句を言わない労働者ばかりを集めてきた事業者にも責任はある。

 これについては、改善できない事業者から脱落していくことになるだろう。すでに減便や路線の休廃止を断行している事業者は黄色信号と認識するしかない。

■現状でも生活できないまでもない

六本木ヒルズ内を運転する記者
六本木ヒルズ内を運転する記者

 他の業種の労働量と比較して賃金が相対的に低いのは正しいのだが、絶対的に支給額が低いのかといえばそうでもないのもまた事実だ。もちろん人手不足により1日の仕業が残業前提で組まれているということはあれども、拘束時間が長いと支払われる賃金は多くなる。

 ちなみに臨時運転士(バイト)として運転士をしている記者の2026年1月支給の給与は税引き後の手取りで15万円弱だった。12月の出勤日数は9日だけだが、日給では16000円あまりという計算になる。バイト料としては決して悪くない。正社員だったらそこそこの給料があるはずで、相対的な比較だと低水準だが、絶対的な額としては悪くはないと感じた。

 世間一般と比較して決して高収入とは言わないが、生活できないというレベルでもない。多くの運転士が現役で頑張っているのがその証左で、現状で給料が安すぎて生活できないと訴える人は能力があり他の職業に就けるのであれば、むしろ一刻も早く転職すべきだろう。

■不平不満ばかり言う人

仕業前点検をする記者
仕業前点検をする記者

 一般論として常に不平不満を言う人は向いていないとの意見で一致した。バス業界は狭い世界なので、同業者が会えば愚痴合戦になるのは概ねどの世界でも同じである。しかし常に不平不満を言う人は、運転中もそういう精神構造なので危険で向いていないと思われる。

 そういう不平不満は愚痴るのではなく、組合なり管理者側との個人面談なりの機会に会社側に訴えればよいのであって、仲間内で文句ばかり言っていても何も改善しない。黙っていて労働環境が改善するのであれば、こうはなっていないはずだ。

現在では客観的な科学的な診断も行われる
現在では客観的な科学的な診断も行われる

 そして、行き過ぎる不平不満は往々にして他人の足を引っ張る。そんなに嫌なら辞めればいいのにと思うのだが、その勇気も行動力もないので延々と不平不満を言い続け周りを不愉快にさせるようだ。そして、ようやく勇気をもって辞めても、今度はかつての仲間の足を引っ張る。

 個人の感想はあってもいいのだが、それはその人の真実であって、他人の真実とは限らないのがわかっていない人は、やはり旅客と接する職業としてのバス運転士には向いていないとの意見で一致した。どこの会社にもこういう人はいるそうで、他社局の運転士も異口同音に「いるよね」という感想だった。

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