2024年がスタートした。バス業界にとってつらい年になりそうだが、本年は甲辰(きのえたつ)の年で、甲はスタート・1番の意味で、辰は登り龍にも例えられる飛躍の意味だ。そんな甲辰のバス業界を占ってみた。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(写真はすべてイメージで本文とは関係ありません)
■直近では2024年問題が!
まず、わかっていて確実にやってくるのが、いわゆる2024年問題だ。先延ばしにされていた運輸業界の働き方改革が待ったなしで施行される。これにより現在の運転士の数で現行ダイヤを回すのが不可能になる。
バス事業者はそれを見越して2023年中からすでに減便や路線廃止等の整理を行ている。そうでなくても足りない運転士で減便を余儀なくされると運賃収入が減少するので運転士の待遇どころではなくなるのは目に見えている、
中には路線廃止までは必要なかったが、運転士不足を理由にお荷物路線を廃止してしまったケースもあるだろう。それでも2024年問題に直面すればいずれ本当に路線廃止しなければなくなることも明白だ。
■一層進む路線廃止
路線廃止は一層進むことになるだろう。入社してくれる運転士はいるだろうが、それ以上に退職者が多いと運転士が純減となり、やはりダイヤを維持できなくなる。
ライドシェア解禁が現実のものになっている以上、どうしてもバスがダメならばライドシェアで代替という需要も生まれるだろう。明確な制度もまだわかっていないので何とも言えないが、果たしてこれでよいのかと思えるほど今に至って行政の動きはない。
■親会社も運転士不足?
全国のバス事業者はいわゆる電鉄系の会社が多いが、その鉄道会社も運転士不足が顕著になってきている。鉄道はまだ無人自動運転は可能だが、いずれにせよ親会社の電鉄会社もいよいよ苦境に立たされる可能性が高い。
これまでは子会社として分離され、賃金体系を安く抑えていたバス会社は赤字でも親会社の補填で何とか公共交通機関としての使命を果たしてきたが、そんなことは言っておれない状況になるのかもしれない。
■関西万博のシャトルバス問題
開催は2025年だが、すでに関西万博の駅シャトルバスについて、使用ターミナルを管轄するバス事業者との連絡調整は行われている。西日本ジェイアールバス、阪急バス、京阪バス、阪神バス、近鉄バス、南海が連絡窓口に指定されている。バス
しかし、そのシャトルバスを運転する運転士がいない。大阪シティバス(旧・大阪市交通局)では万博関連運転士として大型二種免許保有条件付きだが、時給2000円、週3日~、1日4.5時間~5時間勤務での募集をしているが、芳しい話は聞かない。
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