フジエクスプレスで臨時運転士として乗務する記者のバス運転士日誌は1年を迎えた感想を書いたが、富士急グループでは1年目になった運転士を再教育するフォローアップ研修がある。その様子をレポートする。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■だいぶ前の話…
記者はだいぶ前に芝浦港南ルートに乗務していた。終点の竹芝桟橋入口で折り返し始発便になる準備をしていると、業務無線のVHF波で記者が乗務している車両のコールサインを呼んできた。呼ばれれば応答しなければならないので、「ふじきゅう○○○です。どうぞ」と応じた。
フジエクスプレスのバスにはVHF波のFMアナログ無線と、IP回線網を利用したIP無線の2機の無線電話機がぜいたくに積んである。高速車や貸切車は遠く離れたところから通報(電波法でいう通信事項)しなければならないので、IP無線を多用するようだが、港区内しか走らない路線車ではVHF波が多用される。
東京営業所からの呼び出しだったのだが、営業所では記者が終点に着いて折り返しを待つ時間だということをGPSで把握して呼び出してきたようで、具体的な内容はなくただ「有線を入れるのでよろしく」ということだった。有線とは、無線に対する有線という意味で、昔の電話は有線通信だったことからこう呼ばれる。今では無線を使う携帯電話を含めて「有線」というのは無線業界の慣習でもある。
だいたいわざわざ有線を入れてくるなんてただ事ではないことが多い。やらかしてしまったか?事故はないぞ。クレームだったら経験はないが到着後に言われるはずだし、忘れ物の捜索だったら無線で済む。やはりただ事ではないと内心びくついていると、ほどなくしてスマホの着信した。
相手は運行管理者で「あ~、古川さん。4月の勤務希望ですけど、23日だけ出てもらいたいんですよ」とのたまう。2か月後の話なので、別に決まっている取材もないので「構いませんよ。その日は出勤希望を出しますよ。で、何があるんですか?」と聞くと、「1年目の運転士のフォロー研修があってですね。日が指定されてきたので早く言っておかないと行けないと思いまして電話しました」とのこと。
そんなの、今日の到着点呼の時に言ってくれればいいのに、わざわざ無線で呼び出して電話してくることでもないだろうに。とは思ったが、これは運行管理者が記者の立場をおもんばかり最大限に気を使ってくれたことだろう。それは素直に感謝すべきことだろう。こうして1年間のフォローアップ研修があることがわかり、また山梨に行かなければならなくなった。
研修のある直前の出勤日には運行管理者から早朝の東京駅発、夕方の富士急ハイランド発の高速バス予約票を受け取り、しっかり手配されていることが分かった。当日は早朝に東京駅まで行くと自社便(江戸川営業所担当)の高速バスが改札を始めていて運転士に挨拶をして乗車した。運転士は何があるのかは知っているので「じゃぁ、ゆっくりくつろいでいてくださいよ」と声をかけてくれた。
■7割が残っていた
富士急ハイランドに到着すると富士急行の窪田教官が待っていて、車に乗せられて富士急行本社に向かった。1年前の4月に受けた初任運転士の研修に来た富士急グループの同期が呼ばれているはずである。フジエクスプレスからは記者を含めて2名が1年前の初任研修を受けたので2名で来たわけだが、果たして何名が来ているのか。
1年前は確か10名で研修を受けたはずだ、当日来たのは7名だった。つまり3名が退職したということだ。フジエクスプレスは2名で100%が残っているが、グループ全体では7割ということになる。



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