【特集・平成初期のバス 第5回】 低床化や冷房化をリードした北の事業者 北海道 旭川電気軌道 編

平成初期になると首都圏から冷房付きの車両導入を開始

 冷涼な気候を反映して、1985年まで一般路線バス車両は非冷房車が導入されていたが、冷房化を急速に推進するため、平成初期は首都圏からの中古バスが採用された。特に長尺冷房車の在籍が多かった神奈川中央交通からは多くが転入した。

 その一方、1997年には、ようやく初めて市販モデルレベルとなった三菱エアロスター・ノンステップバスの導入を開始した。

日野U-HU2MPAA<br>こちらは日野ブルーリボンのエアサス・長尺車。この頃の一般路線バス用車両はいすゞを除く国内3メーカーから導入され、いずれも長尺が選定された。また、中折戸、腰部方向幕といった仕様も共通である
日野U-HU2MPAA
こちらは日野ブルーリボンのエアサス・長尺車。この頃の一般路線バス用車両はいすゞを除く国内3メーカーから導入され、いずれも長尺が選定された。また、中折戸、腰部方向幕といった仕様も共通である

 過去、ノンステップバスは公営事業者や一部の大都市圏事業者が試験的あるいは特殊用途に導入するケースが中心で、民間事業者の本格導入に先鞭をつける形であった。塗装も斬新なものが採用され注目を集めた。

 さらに、1999年には、東京空港交通から中古連節バスを購入して、高校生の利用が多い通学路線に投入した。これはつくば万博輸送用に導入されたのち、東京空港交通が箱崎(TCAT)~成田空港路線で使用していたもので、大きな輸送力が活用された。

  このように旭川電気軌道の平成初期は、車両面においても特徴的な取り組みが見られ、冷房化や低床化といった、旅客サービスレベルが格段に向上した時期でもあった。

 その後、厳しい事業環境は変わらず、近年は人手不足によって減便を強いられるなど、困難な状況が続いているが、最北の中核市の交通を担う事業者としてさらなる飛躍を期待したい。

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