初代ポンチョはFFだった!
大阪市では2代目ポンチョを導入したが、初代ポンチョはプジョーシトロエンのシャシーに日野車体工業がボディを架装した小型バスで、ワンボックスカーをデカくした、乗用車の化け物のようなFFのバスだった。
コミュニティバスが日本国内のいたるところで地域住民の足として走るようになり、日野自動車では本格的に2代目ポンチョの開発に取り掛かる。ちょうど200年代初頭は、日本のバスメーカーは統合再編の時期であもり、日野といすゞがバス製造を統合、ジェイバスが誕生した。
日野ではステップ付き小型バスであるリエッセをベースに、ノンステップ車を開発、自社や系列自動車会社のパーツを流用するなどしてコストを抑え、コミュニティバスという事業性の低い特殊な事情に配慮しつつも、あの特徴のあるかわいらしい親しみのあるボディに仕上げた。
小型すぎて採用できない例も!
日野ポンチョは国産車ではほかに選択肢がないことから絶大な人気を得て、全国で採用され始める。ショートとロングをラインナップし、2ドアのロング車も選択できるが、都市部のコミュニバスでは路線バス並みの乗車率から、ポンチョでは対応できず中型車を導入する例も出てきた。
こうなると狭隘路線は設定しにくいので、路線バスとコミュニバスの中間的存在になっているところもある。
逆にポンチョでも持て余す地方のコミュニティバスではワンボックスカーを採用し続け、さらにオンデマンド化してタクシーとコミュニティバスの中間的な存在になっているところもある。
近年では日野ポンチョも排ガス規制に対応するように代を重ね、ロング、ショートともにシートの配列や定員も地域の事情に合わせて選択できるようになっている。さらにはEV(電気自動車)化したポンチョも販売されたが、非常に高価で容易に導入できるものではなかった。
ポンチョの将来
コンセプトカーではあるものの、ワンボックスカーで運行しなければならない狭隘路線や、乗車率が非常に低い地方でも採用できるように、現行のポンチョをさらに小型化したポンチョ・ミニの開発を進めたが、こちらも結局市販には至っていない。
しかしEVへの期待が依然として高いことから同社では、中国BYD社のK6を日本仕様にしたJ6をポンチョZ EVとしてOEM供給を受け、2022年春にも発売が開始される。都市部でも地方でもコミュニティバスとして活躍する日野ポンチョへの期待は一層高まるだろう。
【画像ギャラリー】今では当たり前の「日野ポンチョ」が誕生する前は輸入車だった?ポンチョ誕生前から将来までをみつめる(15枚)画像ギャラリー