今回の乗りバスレポートは西武バスの「宿20」系統だ。西武バスの路線で最も東側を走り、かつ同社のどの路線にも接続しない飛び地的路線である。西武百貨店前と新宿駅西口の約8kmを40分で結ぶ。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
写真:小野寺利右
なぜ飛び地?
新しい幹線道路ができると路線バスが走るのは都市部でも地方でも同じ。まだ地下鉄路線が今ほどない時代に、山手通り(鉄道はやまのてせん、道路はやまてどおり)が開通し、複数の事業者から路線免許申請がされ、結果的に西武バスに免許され都営バスと共同運行でスタートした。
その後に都営バスが撤退し、西武バスだけが残ったという経緯である。
本路線は西武百貨店前と新宿駅西口を結ぶが、どこの西武百貨店前なのか。池袋駅東口である。池袋駅はJR、西武、東武、地下鉄が乗り入れているが、西武百貨店があるのは東口、東武百貨店があるのは西口と少しややこしい。
とにかく池袋駅東口であることは間違いないし、他のバス事業者の停留所名は「池袋駅東口」なのに、西武バスだけが「西武百貨店前」になっているのは西武グループだからだろう。
ということは池袋と新宿を結ぶので山手線に乗れば10分足らずで着いてしまう距離を40分かけて走るわけなので、通しで乗車するメリットはほとんどない。
よって区間利用がほとんどだという予想が立つ。ところが西武百貨店前から乗車してみると、区間利用者は確かにいるものの、ほとんどが通しでの乗車。つまりバスファンが乗車していたという推測もできるのが面白い。
その理由は並行する鉄道路線があることから減便され続け、現在では曜日によるが1日に最大3往復しかないので利用しにくいからだと思われる。
乗車したのは休日14時10分発の終バス
記者が乗車したのは西武百貨店前発1410の新宿駅西口行き「終バス」だ。土休ダイヤではこれが最終だ。ちなみに平日だと新宿駅西口行きは2便しかなく1030が最終だ。
中型車がやってきたが乗車した人は数人なので問題はない。そのまま明治通りを南下して雑司ヶ谷あたりから目白通りに入り、JR目白駅を目指す。
JR駅にもかかわらず停車はするが乗降はない。南長崎付近から山手通りに入り、西武新宿線と都営大江戸線の中井駅に接続する。さらに南下し、中央緩行線と都営大江戸線の東中野駅構内に入り接続した後、中野坂上で都営大江戸線と丸ノ内線に接続。そこから青梅街道に入り新宿へアプローチする。
池袋から新宿というルートにしては遠回りだが、接続する鉄道駅が便利な場合は利用価値はある。ただし前述したように1日3往復以下なので、ダイヤを確認して狙って乗車するしかないレア路線だ。
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